「努力は裏切らない」というのは嘘だと考える訳 人生のムダを激減させる「努力の捨て方」指南

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「意志の力」を有効に使うためのがんばらない戦略とは(写真:metamorworks/PIXTA)
新型コロナウイルスの蔓延から1年。これまでの生き方や働き方に急ブレーキがかかってしまった人も多いと思います。自分はどんな働き方でこの先の人生を歩んでいけばいいのか、長期間にわたった自粛生活のなか、不安や葛藤の狭間で思いを巡らせている人も多いでしょう。
そんななか、「努力は裏切らない」という多くの日本人が共有してきた考え方を捨てたことで重要なプロジェクトでしっかり成果を出せるようになり、事業を拡大している人がいます。
これまで当たり前だと思い込んできた考え方を手放すことが重要だと説く、川下和彦氏の著書『がんばらない戦略 99%のムダな努力を捨てて、大切な1%に集中する方法』より、ニューノーマル時代を切り開くカギ「努力の捨て方」をお伝えします。

意志の力は無限ではない

今回はうまくいかなかったとしても、やる気を出せばいつかきっとうまくいく。心のどこかでそう思っていませんか。

やる気を出すためには、「意志の力」を必要とします。ですが、意志の力は湯水のごとく湧いて出てくるものではありません。例えるなら、使えば減っていくガソリンのようなものだ、ということが、アメリカの心理学者ロイ・バウマイスターによってすでに証明されています。ゲームが好きな方には「マジック・ポイント」に置き換えるとピンとくるかもしれません。

ゲームのキャラクターが魔法を使うと、マジック・ポイントが減少します。簡単な魔法を使うだけならマジック・ポイントは少ししか減りませんが、難しい魔法だとマジック・ポイントは一気に減ってしまいます。漫画やアニメでも、キャラクターが呪文を数多く唱えたり、強力な魔法を使った後、ヘトヘトになっている姿をよく目にするかと思います。

これと同じで、毎朝どんな服を着ていくかを考えるだけで疲れてしまったり、やらなければいけない課題がたくさんあって、どこから手を付けようかと思っているうちにぐったりしてしまった、という記憶はありませんか。意志の力の大盤振る舞いをしていたことで、気づかないうちに意志の力が消耗し、枯渇してしまうという現象が起こっていたのです。

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