そのイメージもあるので、まずは「Express」に乗れば正解なのだと思います。あるとき京浜急行で「急行」に乗りました。なにしろ京浜「急行」ですからね。その看板列車に乗れば間違いないと思ったわけです。
しかし実は京急では「急行」の上に「特急」、その上に「快速特急」があります。そうとは知らず上から3番目(下から2番目でもあります)の急行に品川から乗ると「青物横丁」「立会川」「平和島」「京急鎌田」とかなりゆったりとしたペースで停車し、そのたびに後続列車にバンバン追い抜かされ、かなりイライラしました。
こうして何回か痛い目にあいながらも日本での生活を続けるうちに、なんとなくのみ込めてきたのが、快速→急行→特急という序列です。
「ロマンスカー」にソワソワした
そんな私の前に立ちはだかったのが新宿から小田原まで延びる小田急線です。
「準急」。英語では「Semi Express」。Semiはたとえば「セミプロフェッショナル」のように〇〇に準じる、という意味です。この段階ですでにわけがわからないのですが、さらに問題は「急」で、特急に準じる速さなのか、急行に準じるのか。これは日本人でもわからないでしょう。結果的にこれは後者で、各駅停車の1つ上の列車で、特に経堂駅を過ぎたあたりからは各駅停車並みの遅さになるので、新宿から遠くに行くときには乗らないほうがよさそうです。
このあたりで日本では「急いでいるときにはあまり急行には乗らないほうがいい」ということに気が付き始めました。
小田急でもう1つ言いたいことがあります。「特急ロマンスカー」ですね。なんといってもロマンスなカーですよ。新宿駅でちょっとソワソワしてしまいましたが、特に訳ありげな男女が乗る様子もなく、ちょっと安心したというか、期待外れといいますか。もう1つ発見があったのは、ロマンスカーは「特急券」を買わなければならないことです。
そういえば、JRでも「特急」に乗るには特急券が必要です。ここで1つの規則性を発見しました。同じように途中駅を飛ばしながら運行するけれども、追加でチケットを買う必要があるのは「特別急行」、買わなくてもよい列車は「快速」というルールです。チケットを買わないけれど、うんと速いものは「特快(特別快速)」であって「特急(特別急行)」ではない。なるほど、納得納得。ちなみに、われわれコンピューターサイエンス専攻者は、こうしたロジカルな法則が大好きです。
こうして「特急とは、特急券を別途買う、ぜいたくな列車のことである」と理解できたつもりになっていたある日、友人と京王線に乗ることになりました。ホームで待っているとそこへ特急が滑り込んできました。
おっと、目的地まではもうすぐ、こんなところで無駄な出費をするわけにいかない、一台やり過ごして次の急行に乗るぞ。そう思っていたら友人から驚愕の一言。
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