「夫のタイプ別」で変わる、うまく付き合うコツ やる気ゼロ夫、趣味最優先夫、無計画夫、理屈夫

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ひとつでも、日常的に継続されていれば、モラハラの可能性大です。

「モラハラ・DV夫」の場合は、妻がそれに気づくことが解決の第一歩となります。「自分さえ我慢すれば」と考えてしまうなら、共依存の関係になっているかもしれません。「自分が悪い」と自己否定したり、「どうせ反論できない」という無力感を自分自身が感じていたりするなら要注意です。「理屈攻め」がエスカレートして暴言があったり、威圧感や恐怖を感じたりするなら、自分1人で抱え込まず、周囲や専門機関に相談してみましょう。

どのタイプの夫にも「なんで?」「どうして?」は禁句です。納得がいかないと、つい言ってしまいがちですが、心理学でもこれらの言葉は、「デンジャラス・クエスチョン」と呼ばれ、関係性を悪化させるフレーズです。相手は責められていると感じて、心を閉ざすだけでなく、反発も感じてしまいます。夫に感情的な気持ちをぶつけても、解決することはほとんどありません。「見て察してよ」という気持ちや、「相手はきっとこういう考えに違いない」という思い込みもNGです。夫婦といえども、まずはお互いに事情や考え方があるということを自覚しましょう。

「こうあるべき」という思い込みは捨てる

そして、相手をコントロールしようとしないこと。夫に腹が立つという根底には、「思いどおりにコントロールしたいのにそうならないことへのイラ立ち」があります。とくに、夫婦関係は「こうあるべき」という思い込みが強いほど、相手にイライラしてしまうもの。そもそも自分と相手は別の人格。思いどおりに動かそうとするのが無理なのです。イラッとしたら、自分の考え方も少し見直してみる。そして過度に期待しすぎないことで、自然とお互いの心地よい距離感がつくれます。

また、夫自身を否定する表現はNGです。「父親らしくして」「そんなこともわからないの」などというのは、相手の人格を否定する表現です。「○○らしく」という言葉は基準が曖昧ですし、関係性を悪化させやすいので使わないようにしましょう。

毎日一緒にいるからこそ、イラッとしてしまう夫やパートナーとの関係。お互いが心穏やかに過ごすためにも、上手に付き合っていけたらよいですね。

大野 萌子 日本メンタルアップ支援機構 代表理事

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おおの もえこ / Moeko Ohno

法政大学卒。一般社団法人日本メンタルアップ支援機構(メンタルアップマネージャ資格認定機関)代表理事、産業カウンセラー、2級キャリアコンサルティング技能士。企業内健康管理室カウンセラーとしての長年の現場経験を生かした、人間関係改善に必須のコミュニケーション、ストレスマネジメントなどの分野を得意とする。現在は防衛省、文部科学省などの官公庁をはじめ、大手企業、大学、医療機関などで年間120件以上の講演・研修を行い、机上の空論ではない「生きたメンタルヘルス対策」を提供している。著書に『よけいなひと言を好かれるセリフに変える言いかえ図鑑』(サンマーク出版)がある。

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