亀戸線、東武が目指した「都心乗り入れ」夢の跡 本線級設備に2両編成、ローカル色濃いミニ路線

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東武亀戸線の亀戸駅近くを走る8000系。奥にはJR総武線(筆者撮影)
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東武鉄道は東京から埼玉、北関東に広く12もの路線を持っている。首都圏に暮らしていて、その存在を知らない人はいないだろう。乗ったことがなくとも、地下鉄の直通先などでその存在を耳にすることは多い。

で、その東武の路線名で「山手線ゲーム」のようなことをやってみると、もしかすると今回訪れた路線が最後まで残ってしまうかもしれない。そう、都心を走りながらも北関東のローカル線よりもローカルな路線、東武亀戸線である。

亀戸線が走っているのは曳舟―亀戸間の3.4km。曳舟駅でスカイツリーラインから分かれて南東へ。大きくカーブを描いてJR総武線と接続する亀戸駅までを結んでいる。亀戸、というわけで亀戸に住んでいたことがあるという知人に「亀戸線って乗ったことある?」と聞いてみた。すると……。

「乗ったことある?」

「え? そんなのあるの? 総武線じゃなくて?」

いやあ、東武の亀戸線というのがあってね、曳舟までつながっているんですよ。

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「知らないなあ。乗ったことないし、曳舟にもとくに用はないし」

けんもほろろとはこのことである。だが、紛れもなく亀戸駅から東武亀戸線は伸びている。駅ビルのアトレ亀戸に囲われた通路の先、駅の北東の片隅に櫛形の1面2線のホームがあって、そちらが東武亀戸線。しばらくは総武線に並行して走るので、総武線の車窓から見たことがある人もいるかもしれない。わずか2両編成の小さな電車である。

と、かくいう筆者も東武亀戸線、存在は知っていたが乗ったことはなかった。いったいどのような路線なのだろうか。まずは現場の人に聞くべし、ということで東武浅草駅管区の篠崎真一曳舟駅長(取材当時)と落合正士亀戸駅長に教えを請うた。亀戸線って、どんな路線なんですか?

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