郵貯膨張!--日本郵政はどこへ向かうのか vs.民間の百年戦争時代に逆戻り


日本の金融制度の根幹が郵貯を中心に回り始める

亀井郵政相は郵政内の事業見直し反対論者にも目を光らせる。郵政相が見直しをめぐって俄然、気合を入れているのが非正規社員の正規社員化。これは、2月2日に交わされた国民新党と社民党との「郵政見直しに関する基本合意」の中にもすでに盛り込まれていた。

だが、日本郵政内には、これに反発する幹部や職員が少なくない。たとえば、10万人を正規社員化すると、ざっと3000億円程度の人件費増だ。固定費となるため、毎年の日本郵政の収益力からすると、深刻なコスト増になる。

こういった反対論に対し、亀井旋風は一向に衰えない。記者会見の席で「郵便局長の中には反対意見もあるが」と問われても、一段と語気を荒げ、「そんな人には辞めてもらってけっこうだ」と、切り捨てる。

そんな亀井郵政相が怒濤のごとく推し進める郵政事業の見直しによって、一気にキナ臭さが漂い始めたのが金融分野だ。

銀行など民間金融業による郵貯肥大化阻止の声を尻目に、亀井郵政相が早々に断を下したのは、郵貯の預入限度額の引き上げだった。現行の1000万円を2000万円に倍増させただけではない。郵貯銀行、かんぽ生命への政府出資ゼロの完全民営化を最終ゴールに据えていた小泉改革ビジョンを急旋回。政府出資が永久に残る姿へと塗
り替えた。民間金融業からすれば、最悪の事態だ。

4月20日に公表された「郵政改革法案」の骨格によれば、純粋持ち株会社だった日本郵政は12年10月1日、子会社の郵便局会社、郵政事業会社を吸収し、事業持ち株会社へ移行する。その下に郵貯銀行、かんぽ生命の金融子会社2社がぶら下がり、3社に再編される。

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