郵貯膨張!--日本郵政はどこへ向かうのか vs.民間の百年戦争時代に逆戻り


 その中で、今は100%政府出資の日本郵政が存在するのだ。当分の間、郵貯銀行もかんぽ生命も実質100%政府出資の官営金融であり続けるというほかはない。しかも、暗黙の政府保証を背景に、民間金融機関よりも信用力が高い存在。上場時期の不明確化は「当分の間」ではなく「永遠」となるかもしれない。

亀井郵政相の進軍ラッパが流れる先には、かつて百年戦争といわれた「郵貯vs.民間金融業」の対立が、再び激化する様相を連想させる。「民から官へ」の資金シフトが起き、中小金融機関は戦々恐々となって、預金解約に備え現金を積み上げる。マネーの効率性は損なわれかねない。信用力低下という風評をおそれて、貸し出し業務のリスクテイク意欲が減退する可能性すらある。

そうした中、民間金融機関からの肥大化批判が激化すれば、郵貯の現場はそれに対抗して貯金集めをさらに加速しかねない。なぜなら、金融分野は安定への制度設計どころか、紛争地帯に逆戻りするからだ。

(浪川 攻、大崎明子 撮影:今井康一、吉野純治 =週刊東洋経済2010年5月1日号)

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