TBSは8日、明石家さんまさんが司会を務める長寿番組「さんまのSUPERからくりTV」(日曜午後7時)を9月で終了すると発表しました。
同番組は、1992年4月に「さんまのからくりTV」として30分番組でスタート。96年4月から現在の番組名になり、1時間に拡大。かつては20%台の視聴率を獲得していた人気番組も、22年の時を経て勢いを失い、最近では6~8%台の視聴率だったそうです。打ち切りの理由は、「企画のマンネリ化、視聴率の低迷、そして高い番組制作費」だと報じる記事も見かけました。
「笑っていいとも」をはじめとする長寿番組が終了するのは、高額な番組制作費(通常、視聴率が最も高かった頃の制作費を基準に設定されています)と視聴率のバランスがとれなくなることが原因です。そのたびに、司会を務める「大御所の出演料が高すぎる」ことが理由の一端として報道されたりしますが、これには筆者は常々、違和感を感じています。大御所の出演料は、アメリカに比べても全然高くなく、本質的な理由ではないからです。
ではいったい、何が問題の根本にあるのか。そこを探っていくと、日本企業が陥りがちな失敗の要因が見えてきます。
「からくりTV」の兄弟番組が、米国で長寿のワケ
アメリカには、「アメリカズ・ファニエスト・ホーム・ビデオ」(米ABC、America’s Funniest Home Videos、以下AFV)という長寿番組があるのをご存じでしょうか。その名のとおり視聴者が撮影した面白いビデオを集めた番組ですが、視聴率競争の激しいアメリカで、25年も、それも日曜日のゴールデンで続いている奇跡的な番組です。
実はこのAFV、最初はTBSの番組フォーマットをライセンスして制作されたものです。
AFVは、元をたどれば、「加トちゃんケンちゃんごきげんテレビ」(TBS系、1986~1992年放送)の「おもしろビデオコーナー」。「加トちゃんケンちゃんごきげんテレビ」では、そのビデオコーナーは番組のおまけ的な扱いでしたが、その後、同じTBS系の「さんまのからくりTV」に「からくりホームビデオクイズ」「からくりビデオレター」として引き継がれていきました。
ところが、本家の2番組は終了、一方、アメリカではまだまだ継続しそう。この違いはどこにあるのでしょうか。
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