海外から日本に帰国すると真っ先に見てしまうのが「サザエさん」。あー、日本に帰ってきたー、日本人でよかったーと思う瞬間です。
出張でも旅行でも外国にいると、「チップ、チップ」と言われたり、買い物でぼられたり、空港で意地悪な質問をされたり、何かとトラブルばかり……。そんな経験をした後に「サザエさん」を見ると、妙にほっとする自分がいます。日本のおいしい和食を食べて、サザエさんを見る……。日本人ならではの贅沢です。
「サザエさん」(フジテレビ系)は、1969年から45年も続いている、日本国民なら誰もが知る長寿番組。現在、放送開始45年を記念して「ありがとう45周年! みんなのサザエさん展」が全国で順次開催されていますが、6月29日に終了した大分会場には10日間で1万人以上の人が押し寄せたそうで、不動の人気は健在です。
「サザエさん」と「ちびまる子ちゃん」の決定的な違い
視聴率から見れば「サザエさん」は、この数十年間、ほぼ毎週トップの視聴率を記録している奇跡的な番組。ビデオリサーチが発表する週間高世帯視聴率番組のアニメ部門トップ10で、不動の1位と言っても過言ではありません。最近では、今年1月に82歳で逝去された声優、永井一郎さん(磯野波平役)が最後に登場した2月9日の放送で、23.7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区、以下同)を記録しました。
ちびまる子ちゃん、ワンピース、コナン、しんちゃん、ドラえもん、プリキュア、ポケモン……。どれもサザエさんにはかないません。「サザエさん」の前枠で放送している「ちびまる子ちゃん」(フジテレビ系、毎週日曜日、午後6時放送)と比べても、7%も視聴率を上げているのですから驚異的です。他局から流入してきたり、サザエさん目当てでテレビをつけたりする人がこんなにいるのかと思うと、いかに他の追随を許さない国民的番組かということがわかります。
さて、「サザエさん」を分析しようとこの数字を見ていて、ふと「そういえば何で、ちびまる子ちゃん、見なくなっちゃったんだろう」と筆者自身、不思議に思いました。「ちびまる子ちゃん、おどるポンポコリンがはやったときは何となく見ていたよな~」と。それが、いつの間にやら、「サザエさん」は見るけど、「ちびまる子ちゃん」は見ないという、7%の視聴者層のうちのひとりに……。
日本テレビで日曜夕方6時から「真相報道バンキシャ」が始まったこともありますが、いつの頃からか、「ちびまる子ちゃん」は子どものアニメだよな~と感じるようになりました。「ちびまる子ちゃん」のまる子ちゃんは小学校3年生。どこからどう見ても子どもで、サザエさんと同じような家族構成で家族を描いてはいるのですが、学校のシーンも多いし、何となく誰に共感していいかわからなくなってしまいました。
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