現代の狩猟採集民?都会でもできる「採取生活」 春本番!「食べられる野草」が教えてくれること

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でもね、正直、その結果に至るまでにお金の多寡はほぼ関係ないというのが「買わない生活」を極めつつある私の結論で、当然のことながらこのような結論に至った人間ほど強いものはない人生100年時代!

……と、ここまで言ったら多少は興味を持っていただけたでしょうかビジネスパーソンの方々。

正真正銘の「買わない食卓」

ということで、長すぎる前置きになったが、編集部の方のリクエストどおり、今回も食べることについて書く。前回は100円とはいえお金を使った献立だったが、今回は正真正銘の「買わない」食卓だ。

東京も暖かくなってきて、桜も満開となった。そう春といえば桜……というのが世間様の常識なんだろうが、今の私には桜以上の楽しみがありまして、春といえば野草採取! なんである。

野草と言ってもただの野草じゃない。食べられる野草。それをその辺で摘んでくる。もちろん泥棒はいけないので、人様の庭などに勝手に入り込んではいけない。近所のそこらの空き地で、必要なものを採取し、それをその日のおかずにするのだ。

……と言うと皆さん結構驚くんだが、東京のど真ん中であっても案外なんだかんだと採取できるものなのである。これが地方ならもっと採取は容易で、うまいこといけば、春はコメとみそさえあれば何も買わずとも1カ月くらいは余裕で食べていけるはずであります。

なーんてことをいくら力説しても、いや別にそこまで生活に困ってないし……というセリフが聞こえてきそうだ。

でも今あなたがどれほどのお金持ちであったとしても、ぜひ体験してみることをおすすめする。なぜならこの体験は、食べていくとはどういうことか、おいしいとは何か、つまりはお金と豊かな食生活の関係について、ひいてはお金と幸福の関係性について、はたしてお金があれば人生は豊かなのか、お金がないと人生は惨めなのかということについて、あなたのそれまでの価値観をグラグラと揺さぶること確実だからである。

ちなみに、私が初めて近所で採取した野草は「ヨモギ」だ。

長い間、ヨモギという名は聞いたことがあっても実物を見たことがなかった。何しろヨモギといえば「ヨモギ餅」しか知らず、和菓子の風味付けに使う緑のコナみたいなもの? などと勝手に決めつけていたのである。

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