ミクシィ朝倉氏、「龍馬的な遊撃軍」を目指す 今の関心は「ハードウェア」と「組織マネジメント」

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プロフェッショナル対談の会場は、経営共創基盤の本社会議室。塩野誠マネージング・ディレクター・パートナー(左)と朝倉祐介・ミクシィ顧問

塩野 最初から社会的課題と認識されているような、もっと大きな課題に挑戦するべきだということですね。

朝倉 結局、なんでもかんでもスマホで解決しようとすることで、解決すべき課題の幅を狭くとらえてしまう。だけど世界を見渡せば、もっと大きな課題がたくさんある。ハード自体を作ることによって、そこに辿り着けるのではないかと思いますね。

それに日本は伝統的にものづくりが強い国なので、いままで蓄えてきたナレッジやノウハウをもう一度生かせる時代が来るかもしれない。

塩野 朝倉さんは、ハードウェアでやりたいことはあるんですか。

朝倉 具体的にはないです。ただスタートアップなどで、ハードの会社の動きには関心を持っています。もう一つの関心事は、広義の組織マネジメントのあり方についてです。

組織マネジメントはどうあるべきか

塩野 広義というと、営利企業だけでなく、政府やNGOなども含めて?

朝倉 そうですね、地方自治体なども含めて。もちろんパブリック・セクターとプライベート・セクターとでは、優先順位に違いがあるでしょうけど、マネジメントする上での原理原則はけっこう近いんじゃないかと思います。

パブリック・セクターもプライベート・セクターも、市場という概念からは逃れられないと思うんですよ。市場の失敗を手助けするのはパブリック・セクターの役割の一部ではある。でもパブリック・セクターも無尽蔵にリソースがあるわけではないから、市場の原理にさらされ続けると思うんですよね。

塩野 なるほど。朝倉さんはざっくり言うと、「大きな政府」派ですか、「小さな政府」派ですか。

朝倉 「小さな政府」派ですね。市場に任せておけばある程度機能すると信じていますし、そこに不都合があるときだけパブリック・セクターが介入すればいいという、夜警国家的な考えをもっています。

もちろんこれがベストだというわけではありませんが、いまのところこれに代わるいいシステムがない。

塩野 いまの日本はどう思いますか。大きな政府ですか、小さな政府ですか。

朝倉 小さな政府にしようとチャレンジはしてきたけれど、まだまだ大きな政府だと思います。

塩野 現在のように人口の4分の1が65歳以上という超高齢化社会になると、数の論理で、その人たちが求めるような政策の意思決定がされてしまうと思いますけど、どうですか。

朝倉 そういうこともあり得るでしょうが、それで滅びるならそれまでですよ。僕はもう、みんな横並びというのは維持できなくなったと思います。国土の均衡発展なんて、実現不可能なユートピア論だと思う。もちろんできたらいいと思いますよ。でもそれって、共産主義とか社会主義と同じだと思うんです。

結局、パブリック・セクターであれ、プライベート・セクターであれ、組織は自分たちが望む方向に向かうと思うんですよね。基本はトップの考えで動くわけですが、そこに世論が反映される。だから日本が衰退していくとすれば、それは日本国民の選択の結果じゃないかと思います。

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