ではどうするか。やはり「バイプレイヤーズ」なので脇役をフィーチャーする。そのなかで、そもそもの「バイプレイヤーズ」というタイトルの原点に立ち返り、いろいろな俳優に焦点を当てる、主役がいない群像劇という方向に進みました。
たくさんの俳優が撮影所を往来するストーリーにすれば、大きな意味でのバイプレイヤーズとなり、逆に全員が主役にもなる。大杉さんはお祭りのようなみんなでワイワイすることが好きだったので、やるなら続編など考えることなく、100人というケタ違いのお祭りのような映画をやろうと決めました。
集まれるキャストに応じて脚本を変える
――「100人出演」はブッキングもスケジュール調整も考えただけで気の遠くなるような作業ですね。
企画書を作って遠藤憲一さんのマネジャーにお話したときに「浅野さんが100人調整するので苦しむ姿が見たい」とおっしゃっていました(笑)。
実際、みなさん多忙なので大変は大変だったんですけど、もともとシーズン1のときも6人全員が1週間しか集まれないという足かせがあるなかで、3カ月の連ドラを撮影しました。スケジュールが空いてないなか、どうやってドラマを成立させるかからのスタートなんです。その日に集まれるキャストによって、脚本を臨機応変に変えていきました。
シーズン2では、トモロヲさんが舞台でまったく空いているスケジュールがなかったので、風邪をひいて部屋から出られない設定にして、他のメンバーと切り離して撮影しています。100人いればスケジュールが合わなくて当たり前。撮影スケジュール2日、3日でも成立するストーリーをあらかじめ考えながらやることで、難局を乗り切ろうとしました。
――本シリーズのスタッフは、そういったキャスト勢のスケジュールが取れない撮影のノウハウを確立させているのですね。
それはあると思います。連ドラで100人がずっと出続けるストーリーを考えたら、数カ月はスケジュールを抑えきらないといけないんですけど、それは現実的ではない
キャストそれぞれのスケジュールのなかで、この期間なら誰と誰が合うだろうという感覚で組み合わせていきます。大まかなストーリーは完成していますが、個々のキャストのスケジュールにあわせて脚本の詳細をアレンジして撮影していくのが僕らの仕事。1日で完全燃焼する俳優がたくさん出入りする、そういう特殊な現場でした。
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