脇役俳優を主演に据える――。主演ありきのドラマ制作セオリーの逆をいくことで、新たな価値を持つコンテンツとなった「バイプレイヤーズ」(テレビ東京系)。当初は意外性が話題になっていたが、視聴者から高い支持を得てシリーズはすでに3まで続いている。そして4月9日には映画『バイプレイヤーズ 〜もしも100人の名脇役が映画を作ったら〜』の公開が控えている。
人気シリーズに成長した同企画の生みの親が浅野敦也プロデューサーだ。テレビ局社員ではなく制作会社の所属であり、自身も「ビジネスにおいてメインに立つ側ではない」“脇役”と語る。そんな浅野氏が、今回の映画化で実現したのは、豪華俳優を100人出演させるという離れ業。社会における主役ではない大勢の人たちの共感を得る本シリーズへかける浅野氏の思い、“豪華100人キャスト”を実現させた舞台裏を聞いた。
強面ベテランのチャーミングな一面に焦点を当てる
――2017年に連続ドラマとしてスタートした『バイプレイヤーズ』はその後人気シリーズとなり、高い支持を得ています。名脇役を主役に据える企画アイデアはどう生まれたのでしょうか。
もともとは、「6人の男たちフィルムズ」という大杉漣さんを筆頭に、遠藤憲一さん、田口トモロヲさん、寺島進さん、松重豊さん、光石研さんの6人が揃ったイベントの記事を拝見したのがきっかけです。その後、みなさんが6人で映画を作りたいと考えていることを伺い、この名脇役と言われる方々となにかを作りたいと思いました。
主役は人気があって華やか。主役がいないとドラマも映画も成立しません。企画として着地しないんです。
しかし一方で、脇を固めるしっかりとした役者の方々がいるからこそ、その力によって作品が面白いものに昇華していく一面があります。そんな主役と同等かそれ以上に実力があって面白い方々に焦点を当てることは僕らがやるべきことだと思いましたし、そんな名脇役がずらりと揃ったら間違いなく面白い作品になるという自信もありました。
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