「出世の見込みがない人」ほどイキイキと働ける 働かないオジサンにならない4つの働き方(下)

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「枠組み脱出型(Cエリア)」と「仕事突き抜け型(Dエリア)」の住民は、自分が充実できる場を社外に求めている。両者の違いは、「承認」に喜びを感じるか、「仕事」自体の遂行に喜びを感じるかである。

枠組み脱出型:認められることが力になる

■「マラソンで言うたら、トップグループにおるで」

以前、K君という30代後半の方の相談に乗ったことがある。「会社の同期が毎年毎年、課長職に登用されていくのに、自分だけが取り残されています」。K君は、最初に昇格した同期から4年遅れることが確定して、ショックを受けていた。落ち込んだ様子の彼は、スノーボードがとても好きだという。

そのとき、私は「出世できないことが確定的で、ローンも抱えていない。しかも好きなことがある。それはマラソンで言うたら、トップグループを走ってるで」と彼に語りかけた。

あれから4年、K君がぜひ話したいというので、久しぶりに喫茶店で会った。打って変わってエネルギッシュな彼の顔つきを見て驚いた。

現在のK君は、会社勤めのかたわら、スノーボードの公認インストラクターの資格を取得していた。シーズンの週末になると現場に向かう。自分の持つ技術を人に教えて、相手に感謝されるということがいかに楽しいかを、彼は私に語った。

子どもを教えていると、両親が缶ジュースの差し入れをしてくれて、感謝の言葉をいただくこともあるそうだ。最近は、1度教えた生徒から指名を受けることもあって、社内では得ることのできない充実感があるという。

しかも、会社の仕事についても「かつてより良い仕事ができるようになった」と語っていたことが印象的だった。2年前に課長職にも昇格していた。

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