「サッカー日韓戦」コロナ下の開催に踏み切る訳

「バブル」形式の対策、有観客試合の実績を作る

そこで、協会はスポーツ庁など関係省庁に協力を要請。数カ月かけて問題点を明確にし、対策を講じるなど準備を重ねてきた。それによって先週までに入国特例措置が認められ、正式に日韓戦など3~4月の代表戦6試合の実施が叶ったのだ。

協会の須原清貴専務理事が18日に説明したガイドラインによれば、まず重視されるのが徹底した検査。活動期間中、毎日のスマートアンプ法検査とPCR検査は必須となり、毎朝7時に検体を取って9時までに結果が出るような体制が構築された。

そのうえで、海外組は出国72時間以内に検査を行い、陰性が証明されてから移動を開始。日本到着時にも空港で検査してようやく入国が認められる格好だ。

しかも、試合3日前までに入国していなければ出場が認められない。今回、21日に試合のあったキャプテン・吉田麻也(イタリア1部・サンプドリア)と大西洋の離島・アゾレス諸島から帰国する守田英正(ポルトガル1部・サンタクララ)は、ベルギー発羽田空港着の小チャーター便を駆使するという「ウルトラC」を敢行。何とか出場資格を得るに至った。

「協会だけじゃなくて、政府のみなさん、空港で夜遅くまで僕のために働いてくれたみなさんがいる。ここまでしてもらって結果を出せなかったら男じゃない」と吉田は改めて闘志を奮い立たせた。

海外組と国内組が一緒になるのはピッチ上だけ

国内組の選手・スタッフに関しては、合宿3日前以内の検査を経て宿舎入りしたが、活動期間中はホテルのフロア、食事会場のエリア、移動バス、練習会場のロッカーなどが海外組とは別。一緒になるのはピッチ上のみとなっている。

2017年11月以来の代表復帰となった西川周作(浦和)が「僕が前に代表に参加した3年4カ月前はコロナ前で、選手が集まるリラックスルームがあったけど、そういうのもなくなり、今は食事でもソーシャルディスタンスを取りながら同じ方向を向いて食べてます。エレベーターも決められた時間に動くなど、自由に話ができない」と意思疎通の難しさを吐露していたが、そこまでしなければコロナ禍での国際試合は実現できないのだ。

逆にこうしてリスクを最小限にし、いわゆる「バブル」を徹底しているからこそ、不測の事態にも対処できる。合宿2日目の23日には齊藤俊秀コーチがコロナ陽性反応を示し、チーム内が騒然とした。

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