「サッカー日韓戦」コロナ下の開催に踏み切る訳

「バブル」形式の対策、有観客試合の実績を作る

サッカー日本代表合宿初日の様子(写真:時事)

1年延期された東京五輪開幕まで4カ月。3月25日には東日本大震災の被災地である福島・Jヴィレッジから聖火リレーもスタートする。21日に全国での緊急事態宣言が解除されたとはいえ、コロナ感染者数がリバウンド傾向を示すなど、まだまだ楽観は許されない。依然として五輪開催反対論も根強く残っている。

こうした中、日本サッカー界も大きな一歩を踏み出す。25日に国際親善試合・日韓戦を横浜・日産スタジアムで実施するのだ。

国内での代表戦開催を後押ししたもの

国内での日本代表戦はコロナ流行前の2019年11月のベネズエラ戦(吹田)以来。2020年は2022年カタールワールドカップ(W杯)予選全試合が延期され、10・11月に欧州で親善試合を行うのが精一杯だった。

このときの招集メンバーはすべて欧州組。近年は冨安健洋(イタリア1部・ボローニャ)や久保建英(スペイン1部・ヘタフェ)を筆頭に若い世代の海外移籍が急増し、日本代表主力の大半を欧州クラブ所属選手が占めることもあって、チーム強化の場としては有益だった。

しかしながら、Jリーグで活躍している選手がノーチャンスというのはやはりアンフェアだ。昨季は大卒新人で13ゴールを挙げた23歳の三笘薫(川崎)がブレイク。今季も前田大然(横浜)が開幕から6ゴールを奪うなど若い力も台頭しつつある。彼らも組み込んで代表を強化したいというのは、森保一監督の偽らざる本音だったに違いない。

一方、興行的側面も今回の国内代表戦開催を後押しした。2020年の4試合はオランダ・ユトレヒトとオーストリア・グラーツで行われたが、いずれも無観客。各1億円程度のテレビ放映権料は入ったと見られるが、入場料収入やグッズ収入などを得られなかったのは、日本サッカー協会にとっては痛手だった。

実際、彼らは同年に約28億円の赤字を計上。このまま代表戦ができない状況が続くのは、協会の財政面を考えても非常に厳しい。

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