近年、若者の中で美容整形への関心が高まっている。メディアやSNSを通じて美容整形が身近になったことで市場が拡大し、男性患者の数も増えてきた。実はこの流れは日本だけでなく、アジア全体で起こっている。なぜ男性たちは今、美容整形に興味を持つのか。
聖心美容クリニックは美容医療を専門とし、国内外に10院を構える。男性患者数はこの13年で708%増え、現在は来院患者の2割が男性だ。同院が20〜40代男性を対象に行った「男性美容意識調査」では、20代の半数以上が美容医療をしている、または検討していると回答したという。
最近の男性のニーズについて、鎌倉達郎・統括院長は「男性に人気のあるメニューは脱毛やわきが治療が中心だが、昨今は二重手術などの整形手術に加え、若々しく健康に見える若返り治療の人気も高まった」と話す。
切開を伴わない施術は女性のみならず男性からのニーズも高い。若年層に人気の二重手術は、切開せずに糸で留める二重まぶた埋没法の希望が多いそうだ。技術進歩によって、比較的手軽な美容医療が提供されるようになったことが患者数を増やした要因だと鎌倉・統括院長は指摘する。
SNSで情報が得やすくなる
情報が得やすくなったことも、美容整形への関心が高まった要因だ。日本ではこの数年で美容整形情報を扱うSNSアカウントやメディア、口コミプラットフォームが多数登場している。「カンナムオンニ」は昨年7月に本格上陸。8月には国内の美容整形アプリ「ルクモ」を買収し、日本での展開を加速させる。
同アプリは美容医療アプリの中でも韓国でトップクラスの認知度を持つ。現在アプリユーザー全体の10〜15%ほどが男性で、男性によるレビュー投稿ページもあるなど利用も活発だ。
同アプリを展開するヒーリングペーパー日本法人の加藤雄太代表は、「日韓双方において、SNSなどを中心に、男性の化粧や整形を発信する内容を目にすることが多くなってきている。徐々に身近に感じられるようになる中で、ハードルが下がり、オンライン情報を参考にトライするケースが増えてきている」と現状を語る。目的はコンプレックス解消や、理想像に近づくためなど、人それぞれだという。
例えば、韓国では『就職整形』という言葉があり、企業によっては採用の重要な要素は外見だと公言するところもあった。(近年では履歴書に写真添付を求めないなど、外見主義的な風潮に変化がでてきている)。
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