就活目的も?アジアの男子に「整形」が人気の訳 やりすぎない自然な仕上がりを求める患者たち

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同じアジア人のパーツを目指す傾向からも見て取れるように、今は自身の顔の延長線にある、自然な仕上がりが求められる。パク代表院長は「過去のトレンドでは、手術をしたことがバレる形でもいいから絶対に綺麗になりたい、または本人が羨望する対象とまったく同じになりたいと希望するケースが多かった。しかし最近は自身の個性を生かしながら、より外見をアップグレードしようとする傾向が強い」と変化を語る。

これには情報アクセスが容易になったことで、自分に合ったイメージや手術法が探しやすくなったことも影響している。

コロナ禍で美容整形市場はどうなるか

ルホ美容外科では日本や韓国の患者だけでなく、コロナ前は中国、ベトナム、シンガポールなどアジア圏から広く来院があった。同様に海外からの来院者を集める韓国クリニックは多く、この新型コロナ禍で患者を減らしたところも少なくない。そこで日本進出や、海外での拡大を行う韓国のクリニックも現れている。

韓国だけでなく、安心・安全イメージの強い日本も海外客から人気の市場だ。聖心美容クリニックの鎌倉統括院長は、「新型コロナ以前は海外から東京院への来院が多かった。特に中国からの患者が多く、一時期は1日数組も来院があった。現在は渡航できない状況のため、当院の上海院へご案内している」と語る。

新型コロナ禍で患者の動きには影響が出たが、美容整形への関心は上がり続けている。前述の聖心美容クリニックの調査では、20代男性の19.9%、30代の11.9%が「新型コロナ禍で美容意識が高まった」と回答した。

理由の2位、3位には「人に会わないため変わるチャンスだと思った」「オンライン会議が増えて自分の容姿が気になるようになった」が入った。新型コロナ禍の新しい生活様式が、むしろ美容意識を上げる起因となったといえる。

ニーズが高まる中で、国内の美容整形クリニックは増え続けており、飲食テナントが退いた跡に収まるケースが増えたとの報道もある。男性たちの意識の高まりに加え、クリニックの競争が起これば、国内市場が拡大していくのは間違いないだろう。

臼井 杏奈 美容業界ライター

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うすい あんな / Anna Usui

青山学院大卒後、産経新聞社に入社しスポーツ記者に。その後INFASパブリケーションズに入社し、WWDJAPANを経てWWD BEAUTYに所属。美容業界記者として外資系ブランド担当およびビューティーテック、アジア市場、スタートアップ、新興市場などを担当。現在はフリーランスとして活動。

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