転職したい人が「社内に残る」ことを選んだワケ キャリア相談に乗るスタートアップが増える

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ブルーブレイズの都築氏、フルオルの喜多村氏、ポジウィルの金井氏はそれぞれ新卒でソニー、アクセンチュア、リクルートキャリアに入社。大企業を経験した後に20代で起業し、それぞれ個人のキャリアに焦点を当てた事業を展開している点で共通する。

これまで人事領域での起業は採用支援など企業向けビジネスが中心だった。これは法律上、有料で職業紹介を手掛ける事業者は法人か個人のどちらかしかお金を受け取れないルールとなっていることが背景にある。年収の30%程度といった手数料を企業から受け取るほうが効率がよく、結果として個人よりも企業のニーズが優先されがちな構造にあった。

自分らしい働き方を模索する

個人向けはこれまで「事業を拡大しにくい分野」と見られがちだったが、ポジウィルが昨年秋、ベンチャーキャピタルのSTRIVE(東京都港区)から1億5000万円の資金調達に成功するなど、風向きが変わりつつある。

コロナ禍で終身雇用や年功序列といった日本型人事制度が揺らぎつつあり、大企業に入社しても必ずしも「一生安泰」とは言えない時代になってきた。先行き不透明な世の中で、どうしたら自分らしく働いていけるのか。個人向けカウンセリングサービスの勃興はそんな時代の変化を敏感に映しているのかもしれない。

馬渕 次郎 スタートアップライター

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まぶち じろう / Jiro Mabuchi

一橋大学を卒業後、上場メーカーで経理業務を経験。大手メディア企業に入社し、幅広い産業や資本市場の取材、媒体の編集業務に携わる。現在は公認会計士として企業の財務諸表監査を軸に、スタートアップ関連の情報発信や執筆活動にも従事している。

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