「生きててごめん」息子を追い詰めた私の一言

5日間音信不通になった息子の思いは…

後藤誠子さん(写真:不登校新聞)

2021年1月31日、オンラインイベント「ひきこもりの親御さんが幸せな理由」が開催された(主催・ひきこもり発信プロジェクト)。イベント中に開催された後藤誠子さんによる基調講演「なぜひきこもり当事者の親が幸せになれたのか」の抄録を掲載する。(編集・本間友美)

こんにちは、岩手県在住の後藤誠子です。私の息子は高校1年の夏から不登校・ひきこもりとなり、26歳の現在もその状態です。今日は私と息子の歩みから、何か1つでもこれからを生きていくヒントを得ていただければ幸いです。

レールから外れて欲しくないと必死だった

息子は夏休み中に不登校になりました。進学校のため、休暇期間でも学校で講習会があったのですが、ある朝ベッドから出てこず、その日から登校を渋るようになりました。私は子どもが不登校になったことを受け入れることができませんでした。数年後に聞いたのですが、中学の頃から息子は「周りと同じようにできない自分」に悩んでいたそうです。息子の苦しみを知ろうともせず、私は学校へ行かせることばかりを考えました。体を引きずることもしました。「レールから外れてほしくない」と必死だったのです。

当記事は不登校新聞の提供記事です

無理やり高校を卒業させた後は、息子が自ら「ギターを作る職人になりたい」と言ったことから、東京の専門学校へ進学させました。「一度は普通から外れてしまったけれど、これでレールに戻れる」と私は安心しました。上京のためにとてもお金がかかることもわかっていましたが、「人並みに生きてくれるなら」と惜しみませんでした。

しかし息子を送り出して1年も経たないうちに、私はまた驚かされることになります。2年に進級する前の2月、息子から電話がありました。

苦しそうに絞り出すような声で、「12月から学校へ行っていない。もう二度と学校へは行けない」と息子は言ってきました。天国から地獄へ突き落されたようでした。何が起こったのかわからない。混乱しながらも私がとった行動はまたもや、「学校へ行くよう説得する」でした。

「やっとレールに戻れたのに」で頭がいっぱいの私は、「お金をあげるから、お願いだから学校へ行ってくれ」と、いきすぎた発言もしてしまいました。その瞬間、電話は切れました。5日間音信不通になりました。

「死んでしまっていたらどうしよう」。何度も不安がよぎりました。あまりにも追い詰められ、私は変な行動を取ってしまいます。LINEの音声メッセージで下手な歌を送ったのです。すると真夜中に息子から「何?」と返事がきました。

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