また、なぜそのような状況になったのかを弁明することも必要になりますが、人は相手からの言い訳を拒否する傾向があります。言い訳は、マイナスイメージでとらえられやすく、責任転嫁していると認識されやすいからです。
言い訳と捉えられないようにするためにはどうすればよいかというと、「感情論」や「こうすべきだった」といった意向が含まれる表現をできるだけ避けることです。事実を先行させ、簡潔に伝えることを心がけましょう。事実を伝えることは、説明することであり「実際に何が起きたのか」を知りたい欲求に応えることになり、結果、相手に受け入れられやすいのです。
ただし要領を得ないと、原因もわからず謝罪しているのかと、さらに怒りをかう場合もありますので、トラブルの原因をあやふやにせず、不手際や失敗などミスの原因を端的に伝えましょう。
・変更点が関係部署へ伝わらず△△の確認を怠ったことが原因です。
・○○の納品が遅れたことにより、発送の遅延が起こりました。納品の遅れは、弊社の生産管理システムに不具合があったことが原因です。
また「努力はしたのですが」「できる限り早い対応を心がけたのですが」といった、こちらの「思い」を一緒に書いてしまうと、言い訳と捉えられてしまうことがあるので注意が必要です。
例を挙げると、なかなか返事をくれない相手に催促したときに、謝罪とともに「返事をしようと思っていたところです」と言われて腹が立つことがあるかと思います。言葉では何とでも言える、そう思っていたなら早く返事をしてよ――と思ってしまうからです。この場合も感情のワードを書かずに「仕事が立て込んでいて、返信が滞ってしまい申し訳ございません」と事実だけを伝えればよいのです。
「怒りをヒートアップさせる否定表現」
また、先方に今後の注意を促したいときに、気を付けたい表現方法があります。
例えば、「今後は、○○をしないようにご注意ください」といった「○○しないで」という否定表現は、相手に不快感を与えます。強制されている気持ちになるからです。ですから、以下のように変換しましょう。
・「△△していただければ幸いです」(依頼)
肯定や依頼の表現を心がけることにより、相手は、こちらの意向を受け取りやすくなります。
クレームなどの訴えでは、申し出た気持ちや思いをきちんと齟齬なく受け止めてもらうことを望んでいるケースが多く、その気持ちに対しての謝罪があれば、安心感と納得感につながります。気持ちが受け止められたか、受け止められなかったかが、それ以降の状況に大きな影響を及ぼします。
単なる形式的な謝罪ではなく、まずは、相手の気持ちに寄り添う受け止めの対応に徹してください。
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