産業医解説「在宅勤務のストレス減らす」3習慣 長期化するコロナ禍で仕事効率を下げない方法
私は主に外資系企業で年間1000人を超える働く人を対象に、心と体の健康相談をしています。2020年に1250件の産業医面談を行いましたが、コロナ禍の影響でその8割は遠隔面談でした。
ほとんどの会社は、テレワークにより通勤時間がなくなり、社員たちの日々の業務は効率化すると捉えているようでした。一方、面談でわかったのはテレワークにおけるストレスは十人十色だということでした。
コロナ禍の状況はまだまだ続きそうです。そこで今回は産業医から、テレワークが仕事の効率を下げてしまわないように、3つのアドバイスを「予防薬」として処方させていただきます。
自分が集中できる仕事環境の整備
1つめのアドバイスは、自分が集中できる仕事環境を正しく把握することです。それが生産性向上への近道となるからです。
私の産業医面談の経験では、多くの社員がテレワークは業務に集中しやすく効率がいいと感じていました。会社よりも電話や来客、上司や同僚などから話しかけられないため、思考が中断されにくいのでしょう。しかし中には、人の声が周囲にないことや静かすぎることで集中しづらいという社員もいました。
一般的に、人の集中力は、五感(聴覚、嗅覚、視覚、触覚、味覚)をほかのことに使わないで済む環境ほど高まると言われています。しかし、これには個人差があります。
例えば聴覚を例に考えると、街のカフェのように音楽や人の声など、適度な雑音がある方が集中しやすい人もいれば、図書館のように無音に近い環境を好む人もいます。
ですので、まずは自分の特性を知り、適度な雑音があったほうが集中できる人は、必要に応じてホワイトノイズ(全周波数で均一な大きさを持つ雑音)と呼ばれるノイズを提供するアプリなどを利用すること、静かな場所のほうが集中できる人は、ノイズキャンセラーイヤホンなどの効果で集中力を高めることができるでしょう。
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