産業医解説「在宅勤務のストレス減らす」3習慣 長期化するコロナ禍で仕事効率を下げない方法
マラソン選手は42.195kmを効率よく走り切るために、喉が乾いたから水分補給をするのではなく、あらかじめ計画して水分補給をします。ビジネスパーソンも途中途中で適度な休み時間を入れることで、集中力は回復し、効率よく働けて、高いパフォーマンスにつながります。
テレワークでは、コーヒーブレークなどに誘ってくれる同僚はいません。だからこそ、自分で意識して小休憩をとる、時間を区切るなどを習慣化できるといいと思います。
「ザッソウ」のススメ
3つめのアドバイスは、「ホウレンソウ」(報告・連絡・相談)よりも、「ザッソウ」(雑談・相談)のススメです。テレワークでは、どうしても人と話すことが減ってしまい、他人とのコミュニケーション不足から不安や孤独感などのメンタルヘルスリスクが生じてしまいます。
誰にでも、日常生活の中でちょっとしたストレスや不安があります。それが会社で同僚の一言で救われたり、休み時間の会話で解決や発散できたりするのです。
日々のストレスや不安を家に持ち帰らずに済むのは、日頃意識せずして行っている周囲とのコミュニケーション(関わり合い)の結果でもあるのです。
テレワークが続くことにより、これが減ってしまい、ちょっとしたストレスや不安が積もりに積もってしまったために、メンタルヘルス不調の原因になってしまう人も少なくありません。一人暮らしの人では、1日誰ともしゃべらなかったという事態も起こりえます。
メンタルヘルスマネジメントの見地から考えると、テレワークだからこそ、上司や同僚たちとのこまめな雑談や相談からなる「ザッソウ」を心がけてほしいと思います。
しかも、ある実験によると、雑談は生産性を向上させます。ビジネスで最高のパフォーマンスを上げる優れたチームをつくる最良の方法は、才能や業績が優れている個人を選ぶことではなく、メンバーがコミュニケーションをしっかり図れることなのです。
雑談が盛んなチームでは、「情動伝染」と言われる効果が起こります。メンバーの一人が楽しくわくわくした気持ちでいると、ほかのメンバーも前向きな気持ちになる傾向が強く、これはチーム内の緊張を和らげるのに役に立つそうです。
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