Jリーグに「補強苦手なクラブ多い」残念な理由 世界で戦うために必要な「運任せ」からの脱却

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チームにフィットする選手を選ぶには「データ」の活用が肝になります(写真:MakiEni/PIXTA)
資金力に劣るプロスポーツクラブが、ビッグクラブに対抗するためには、合理性を突き詰めていくことが求められる。より安価な金額で選手を獲得し、チームとして最大の効果を出すことだ。
ところが、日本のサッカーに目を向けると「Jリーグのほとんどのクラブでは、データを使わないか、ほんの少しだけ使いながら試合に臨んでいる。クラブの強化担当者がデータを見る機会は非常に少なく、選手だけを見ていることが多い」と、元データスタジアム社長で、Jリーグのクラブのトップチームの分析アドバイザーを歴任したスポーツデータの分析の専門家である森本美行氏は言う。
Jリーグのクラブが世界のビッグクラブに対抗していくにはどうすればいいのか。森本氏の新著『アナリティックマインド』から一部抜粋・再構成して、解説する。

FCバルセロナの平均年俸は13億円!

2020年8月14日(日本時間8月15日)に行われたUEFAチャンピオンズリーグの準々決勝でFCバルセロナがバイエルン・ミュンヘンに2-8と大敗したことで、メッシの移籍報道が流れたのは記憶に新しい。年俸1億ユーロとも言われるメッシの契約解除金は7億ユーロ(約880億円)に上る。

サッカーの世界では、メッシやクリスティアーノ・ロナウド、ネイマール、ムバッペといったスーパースターの年俸は破格だ。彼らのようなスペシャルなケースを除いても、サッカー界で選手に対する投資は莫大だ。スポーツ界全体の平均年俸額を見るとFCバルセロナ(約13億円)、レアル・マドリード(約11・8億円)、ユベントス(約10・7億円)とサッカークラブがトップ3を独占している。

選手人件費というクラブにとっての最大の支出項目は、同時にクラブや試合への付加価値を与えるという意味で投資の意味合いも持つ。

クラブのマネジメントは、その投資額に対する合理性をどのように見つけているのだろう。トップ3のクラブはもちろん、マンチェスター・シティやパリ・サンジェルマンのように、いわゆるオイルマネーに支えられたビッグクラブ以外が少ない資金で対抗するためにはどうすればよいか。

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