食えない女性アナ「決意の起業」その意外な中身 年齢と需要が反比例する残酷な世界に風穴

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クライアントから受注した仕事を、登録する彼らに割り振る。制作するのは、主にWEBのCMや店頭広告、セミナー映像などだ。

取引先は一部上場企業をはじめ公的機関にまで及ぶ。映像の絵コンテ・台本の制作から、撮影、編集、納品までアナウンサーがプロデュース・担当する。アナウンサーの視点での伝わりやすい映像製作が強みだ。

世に映像制作会社はあまたあるが、アナウンスまで含めて一括受注できるとなれば、競争相手は激減。コスト的にも優位に立てる。「アナウンサーによる映像制作会社」という独自の存在感を放っている。

仕事中の高橋さん(写真:本人提供)

受注した仕事を担当しなくても「紹介料」が入る

ユニークなのは、登録者全員が営業マンであることだ。受注した仕事を、自分が担当しなくても、「紹介料」が入るシステムになっている。

「生々しい話ですが、フリーアナの佐藤さんが知り合いの社長とゴルフに行くとしましょう。新商品のCMを作りたいと考えていることがわかったので、佐藤さんは、ナレーションで使ってくださいとお願いします。社長も『わかった。使うよ』と言うでしょう。

でも、社長が発注する相手はアナウンサーではなく、制作会社です。制作会社がキャスティング会社やアナウンサー事務所に声をかけて、そこからナレーションを担当する人が選ばれます。佐藤さんが使われることは、ほぼありません」

アナウンサーが個人で活動していると、仕事のチャンスは流れ去りやすい。しかし、アナが「私をナレーションで使ってください」ではなく、制作会社(カタルチア)を紹介するのであれば、仕事の受注率は大幅に上がる。

「事務所から案件が振られるのを待つのではなく自分で案件を作る。発想の転換です。個人だったら、うまくいっても1人分の仕事しか生まれなかったのが、会社があれば、倍以上の人数の仕事が生まれます」

アナウンサー同士が助け合う。「アナウンサーの互助会」のような仕組みができた。本業の仕事がないアナには、一時的な収入源となる。また、カタルチアを通して制作のスキルを磨くことで、セカンドキャリアを拓くこともできる。

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