食えない女性アナ「決意の起業」その意外な中身 年齢と需要が反比例する残酷な世界に風穴

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インタビューで語る髙橋絵理さん(2020年11月、撮影:弁護士ドットコムニュース)
契約アナウンサーやフリーアナの大多数は、正社員の局アナと比較して、賃金・待遇で劣るだけでなく、制作サイドの意向で簡単に職を失う不安定な職業だ。特に女性アナは、「年齢と需要が反比例する」問題と向き合う必要がある。アナ個人がどれだけ長く働きたいと願っても、残酷なまでに淘汰されてしまう。
かといって、別の業界への転身を試みても、「原稿を読むアナのスキルは潰しがきかない」ことで、セカンドキャリアに失敗するケースも踏み出せないケースも少なくない。自身が誰よりも不安定な「底辺アナ」だったからこそ、課題を解決すべく、「アナの制作会社」を作った女性がいる。(編集部・塚田賢慎)

元局アナの先輩たちも食えていない

東京・港区の「株式会社カタルチア」代表を務める髙橋絵理さん(31)は立命館大に在学中、全国のテレビ局の試験を100近く受け続け、ことごとく落ちた。

そこで、東京の事務所に所属し、フリーアナウンサーとなったが、当初は仕事がほとんどなく、アナの仕事の月収は10万円に満たなかったという。バイトに明け暮れ、ガス代を支払えずに、水風呂に入ったこともある。

局アナを経験していない自分には、キャリアもスキルもない。だから、食べられないんだ。

そのように考えることもあったが、同じ事務所にいた元局アナの先輩たちの多くが「地方では局の顔として活躍していたのに食えてない」ことに気づき、「私が問題じゃなくて、業界自体が食えないんだ」と気づいた。

インタビューの様子(撮影:弁護士ドットコムニュース)
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