食えない女性アナ「決意の起業」その意外な中身

年齢と需要が反比例する残酷な世界に風穴

「きれいごと抜きにして、40歳を超えた女性アナってほとんど必要とされない。どんどん仕事は減っていく。しゃべる仕事しかできなくて、子どもがいたら、預かってもらえないと働けません。でも、映像編集なら在宅で働けます。妊娠・育児・病気などの事情でアナの仕事がダメになっても、コレがあるという後ろ盾になっていると思います」

インタビューの様子(撮影:弁護士ドットコムニュース)

アナがイメージ商売であることは事実だろう。華やかで、きれいな格好をして、苦労を見せてはいけないと思っている人も多い。しかし、ほとんどの人には仕事がない。

「アナは『大変なんです』『助けてください』と言えない子が多いんです。かわりに私が営業で『助けてください』と言います。“社会問題”の解決のために、この会社を立ち上げました。うちに仕事をくださいと。映像制作会社が腐るほどあるなかで、ありがたいことに、コンセプトに共感して仕事をくださるお客様が多いです」

貧乏にさせていないか心配になる

一方で葛藤がないわけでもない。

「不安定な子を救いたいと思いつつ、貧乏にさせてないか心配になります。200人全員に仕事を振り分けられるわけじゃありません。隙間時間でできる2〜3万円の仕事では、一瞬は潤っても、本質的には変わりません。

私は事務所に所属しながら、オーディションも仕事もダメでストレスでした。その『私が陥っていたアナの嫌なところ』の縮小版みたいなものじゃないですか。葛藤はあります。

今でも社長業をしながら、アナウンサーの仕事もしています。アナウンサーとして生きていきたい人の気持ちは痛いほどわかります。辞めて就職したら楽だよとは思いません。アナウンサーが暮らしやすい社会になってほしいです」

しゃべる仕事中の高橋さん(写真:本人提供)
【取材協力】高橋 絵理(たかはし えり)。香川県出身。高校生から司会の仕事を始める。立命館大学卒業後、2012年から東京の事務所に所属し、フリーアナウンサーとして活動。スカパー!「SPEEDチャンネル」などで中継を担当。2015年7月に株式会社カタルチアを設立。映像制作を軸に、企業のPR戦略を支える。
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