ソニー復活? 3つの挑戦--知られざるビジネス変革[下]

ソニー復活? 3つの挑戦--知られざるビジネス変革[下]

[上]より続く
 もう一つのソニーの変化が、戦うべきライバル社を見据えたうえで、“敵の敵”と緊密提携する、アライアンス戦略へのシフトだ。

瀬戸際の書籍端末をオープン戦略が救った

電子書籍端末「リーダー」はソニーで今最も成長著しい製品といっていい。08~09年にかけて販売台数は3倍以上に伸びており、現在の累計販売台数は米国、英国など8カ国で100万台を突破しているようだ。

リーダーの前身は日本で発売していた「リブリエ」。白黒の電子ペーパーを搭載するなど、端末仕様そのものは現在のリーダーと共通点が多いが、表示できる書籍コンテンツのフォーマットをソニー独自のBBeBに限定していた結果、コンテンツ数はわずか数千タイトルに限られた。

06年に新たに米国で展開が始まった際も、当初はBBeB形式で運用されていた。ところが07年にアマゾンがキンドルを発売、書籍コンテンツの安さなどから、みるみるうちに台数規模でリーダーを逆転する状況に。

ここでソニーが戦略として選んだのが、米国の出版業界団体・IDPFが定めた業界標準フォーマット「EPUB」への移行だ。「活字コンテンツを1本でも多く取り込めるプラットフォームにしなければ、電子書籍は成長しない」(米ソニーエレクトロニクスの野口不二夫上級副社長)。日本での苦い失敗を教訓に生かした。

EPUBを導入したことにより、グーグルがEPUB形式で提供していた約100万タイトルの著作権切れの書籍コンテンツや、全米の図書館がウェブ上で展開している無料の書籍貸し出しサービスも利用可能になった。

PDF、ワード、リッチテキストなど、書籍以外のフォーマットにも対応。一方、“敵”のアマゾン「キンドル」は原則、自社独自フォーマットのAZW方式に限られている。

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