離婚する前、「ちょっと待って」という区役所

あくまでも子ども目線で――文京区長(上)

坂之上:もう顔もみたくない、とにかく離婚と急いでいる方々に、立ち止まって考えてもらうという意味で、大きいですね。

成澤:だってね、離婚するときに、養育費とか、何カ月に1回子どもと会っていいですよとかいうことが、ちゃんと決まっていないことで、トラブルになることが多いじゃないですか。

坂之上:はい。

成澤廣修(なりさわ・ひろのぶ)
文京区長
1966年生まれ。明治大学公共政策大学院修了。区議を4期務めた後、2007年4月に区長に初当選。(現在2期目)。2010年4月、地方自治体首長初の育児休暇を2週間取得し、話題となった。その後、「男性職員の育児休業等取得促進実施要綱」を策定するなど、職員が育休のとりやすい環境づくりを進めている。 現在、内閣府少子化危機突破タスクフォース委員、東京都子供・子育て会議委員、東京都児童福祉審議会委員。
 

成澤:子どもが、親権を取れなかったほうの親にも「どうしても会いたい」っていう場合もある。そういう親が子どもに会えないから、無理に会おうとして、新たなトラブルになったり、子どもの身に危険が及ぶようなことになってしまっている場合も、実際にあるわけです。そんなこと、絶対にあってはならないでしょう?

坂之上:そうですね。

成澤:だから、ちゃんと子どものことを考えて、決めることを決めてから離婚してほしい。日本では、多くの場合が協議離婚です。だったら最後の離婚届を渡すときなどに、何かしらの自治体の関与やサービスが必要であると思いませんか?

坂之上:私は米国に長く住んでいたのですが、離婚前の財産分与や子どもへの養育をどうするかって、向こうは随分厳しいです。

成澤:そうなんですよ。

坂之上:でも、役所がわざわざこういう、「うるさい、ほっといてよ」「プライバシーでしょ」みたいに感情的に嫌がられる可能性が高いことを推し進めているのは、なかなか、おせっかいな感じ、ですね(笑)。

成澤:確かにね(笑)。戸籍住民課って、ほんとうはこういうことの担当じゃないですし。

だけど離婚するときの不安は、必ずしもおカネのことだけではないですよね。それで戸籍の窓口で離婚届をもらうときに、どこにどう相談すればよいのか、生活福祉課とか、子育て支援課があるよ、と教えてあげるのは大事だと思うのです。

坂之上:担当とか部署を超えて、っていうのがなかなか難しいんですよね。

成澤:ええ。そこを部署を超えて連携して、トータルな情報提供やサービスをしていきたいのです。

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