離婚する前、「ちょっと待って」という区役所

あくまでも子ども目線で――文京区長(上)

 「政治」というと、「難しそう」「私には関係ない」「偉い人がなんとかしれくれる」と敬遠してしまいがち。しかし、今まで目を向けてこなかっただけで、当 たり前だけれど、政治と私たちの生活はつながっている。経営ストラテジストで作家、そして1児の母でもある坂之上洋子さんが、「あまり知られていないけれ ど、実はいい政策」をフィーチャーし、ビジネス目線、ママ目線、NPO目線で、素朴な疑問を明らかにしていく。
 第3回目は、文京区の成澤廣修区長。

離婚届けを出す人に、子どもの代わりに話をする

坂之上:文京区役所では離婚届けを取りに来た人に対して、取り組んでいることがあると聞いたのですが。

成澤:戸籍住民課で離婚届をお渡しするとき、未成年のお子さんがいる方には、「養育費の取り決めをしましょう」という、厚労省が作ったパンフレットをお渡ししていることでしょうか。

そのとき窓口でいろいろお話を聞いて、必要な方には、養育費相談支援センターというところが作っている「親からのメッセージ」というパンフレットもお渡ししています。

坂之上:親からのメッセージ?

成澤:離婚するっていうことは、夫婦にとってもエネルギーを使うことだと思います。だけど、何よりも残された子どものストレスがものすごいですよね。

坂之上:はい……。どちらの親も、子どもにとっては親ですから。

成澤:だから、離婚してもいいけど、ちゃんと養育費のこととかを決めてから離婚してくださいね、ということをまとめたパンフレットを渡すことにしたんです。

坂之上:大事なことですよね。

成澤:それで渡すときに、「養育費について、ちゃんとお決めになりましたか?」と問いかけて、これは大事なことですって丁寧にお伝えします。場合によってはそのご家庭の状況に合った機関とか部署を紹介して、寄り添うことができるようにしています。

坂之上:そういうときは、特にひとりで悩んで孤立してる可能性も高いですからね。

成澤:それに加えて、新たな取り組みも考えているんです。まだいろいろ試行している段階なんですけど、大学の先生や弁護士のみなさんに協力してもらって、子どもにかかわる相談セクションを紹介したり、養育費や面会交流などの取り決めを促すパンフレットも作りたいとも考えています。それを説明してお渡しするというような、一歩踏み込んだ対応もこれからはしていきたいんですよ。

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