離婚する前、「ちょっと待って」という区役所 あくまでも子ども目線で――文京区長(上)

✎ 1〜 ✎ 4 ✎ 5 ✎ 6 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

坂之上:ベビーシッター代が手頃なら、もう、それはかなり助かる人がたくさんいると思います。

成澤:ここで働くベビーシッターの方には、お給料をちゃんと差し上げます。給与もフラットのままじゃなくて、ちょっとずつですけど上げていく。こういう仕組みを私たち役所が先頭に立って整えて、実際の運営は社協にお願いする。

坂之上:今、ベビーシッターのなり手が少ないのですよね。今の日本での課題部分ですよね。

成澤:そう思います。ここが問題なんですよね。このベビーシッターをですね、小学校高学年くらいの子どもを持つお母さんに手伝ってもらえたらいいなと。昨日まで同じぐらいの子どもを育てていたんだから、これからは週3日だけでも、週2日だけでも手伝ってもらえないだろうか、と……。

坂之上:すごくいい案ですね。ベビーシッターをやること自体がプロフェッショナルな仕事という雰囲気になれば、やりたい方はたくさんいるんじゃないかと思います。

成澤:私もそう思うんですけどね。

坂之上:私は米国で子育てしたことがあって、向こうでは、仕事じゃなくて、遊びに行くとかでも、ベビーシッターを使うことに罪悪感がないんです。母親が適度に息抜きできる社会だと、子どもにとっても実はよい影響があると思うのです。だから、日本でも、ベビーシッターをする人・使う人がもっと増えるといいなと思います。

成澤:そうですね。双方にメリットがあるカタチにしたいと思います。

坂之上:区長がそういう母親の問題に真剣に取り組んでくれていると聞くと、うれしくなります。

成澤:実のところ、文京区がどういう自治体になるのかは、僕の向いている方向ひとつで、明らかに変わってきちゃうわけですよ。当たり前ではありますけど。でも、これは恐ろしいことです。

坂之上:おっしゃっている意味、わかる気がします。

成澤:だからそれで、たとえ親が怒ったとしても、子どもは何も言えないから、代わりに誰かが言わないと。

坂之上:成澤さん、票を持ってるのは親でしょ(笑)? その親を怒らせても、子どものこと考えろ、って言ってしまう性格なわけですね。

成澤:そうなんですよねぇ(笑)。

もちろん親御さんたちのこともすごく大切にしていきたいと思っています。だけど、まずなによりも、何も言えない子どもを真ん中に置いて考えたいんですよ。

(構成:石川香苗子、撮影:尾形文繁)

※ 続きは7月10日に掲載します

坂之上 洋子 経営ストラテジスト

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

さかのうえ ようこ / Yoko Sakanoue

経営ストラテジスト/作家。国際機関、官庁、大学、社会起業家/NGO/NPO/企業経営者等へ「どうすれば、社会に良いインパクトを与えることができるか」をキーワードに経営ブランディングの戦略構築を行う。Newsweekの世界が認めた日本女性100人の一人に選出。中国系アメリカ人で数学者の旦那と三ヶ国語を話す多国籍の娘と3人暮らし。現在、拠点は、東京、北京 、軽井沢。時々ニューヨーク。著書に『結婚のずっと前』『犬も歩けば英語にあたる

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事