イスラエルが超エリートをやたら輩出できる訳

多様な人材に最大限の力を発揮させる仕組み

日本がイスラエルから学べることは何か(イラスト:Yustus/PIXTA)

正直なところ、イスラエルという国に特段の思い入れを持ったことはなかった。そもそも接点がないのだから当然かもしれないが、それは『世界のエリートはなぜ「イスラエル」に注目するのか』(東洋経済新報社)の著者、新井均氏も同じだったようだ。

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新井氏はもとから中東のこの国に関心があったわけではなく、接点ができたのは研究者として勤めたNTT(当時は日本電信電話公社)を辞めた7年後の、2007年のこと。単に興味ある技術を持つ提携先企業の国が、たまたまイスラエルだったにすぎなかったというのである。

ところが結果的には、仕事の範囲を超えてイスラエルに興味を持つようになった。きっかけになったのは、出会ったイスラエル人の多くが日本をよく知る親日家であったこと。イスラエルのことをなにも知らなかった自身とは違い、教科書やガイドブックのレベルを超え、漫画や昭和歌謡などに精通する人も多かったからなのだそうだ。

彼らは早く大人になる

また、そんな彼らを理解するうえで重要だと考える事例の1つとして、新井氏は「彼らが早く大人になる」ことに着目している。

イスラエルの若者は男女共に18歳で兵役に行く。13歳で社会から大人として迎え入れられ、18歳になると兵役という厳しい経験をすることで、若者たちは、日本の10代よりもずっと早く大人の自覚を持ち逞しくなる。こんなことに言及したのは、これが、年間1000社以上のスタートアップを輩出するというダイナミズムを持つ今のイスラエルを作り上げた、彼らの強みにつながっていると感じているからである。(「まえがき」より)

その証拠に、われわれが日常生活の中で意識せず使っているツールや商品には、意外や「イスラエル発」が数多く潜んでいるのだという。例えばその実例として紹介されているものは、インテルのプロセッサ、USBメモリ、チェリートマト、フェイスブックの顔認証、カプセル内視鏡など多彩だ。

IT分野から農業、医薬品分野までバラエティー豊かであるだけに、意外性を感じる方も多いのではないだろうか。それは私も同じで、日常的に好んで食べているチェリートマトまでがイスラエル発祥だったとは考えたことすらなかった。

しかも、こうした発明の一部が生まれた1990年において、イスラエルの人口は466万人、2000年でも628万人にすぎないのだそうだ。ちなみに628万人は千葉県の人口とほぼ同じだそうで、そんな小さな国から革新的な技術が次々に生まれるということは驚愕に値する。

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