末期がんの父を見送るために帰省
会員の聡子(仮名、39歳)は、昨年の11月から、出身地である地方都市に帰省をしていた。末期がんである父が、「いよいよ危ない」と医師に宣告をされ、父の人生最期となる時間を一緒に過ごしたいと思ったからだ。コロナ禍で世の中がリモートワークを奨励する風潮もあり、聡子が帰省して働くことを、会社も了解してくれた。
仮交際をしている男性もいたのだが、事情を話すと、「LINEやリモートで連絡を取り合っていきましょう」と、優しく彼女を送り出してくれた。
年が明けて、聡子から連絡が入った。
「帰省して2週間は県外から来た人は病院に入れず、見舞いに行けませんでした。やっと見舞えるようになり、そこから1週間で父を見送りました。父は、私が行くのを待っていてくれたのかもしれません。
現在お付き合いしている吉田さん(仮名、41歳)とは、こちらに来てからもLINEでのやりとりは続いていました。お人柄は優しい方なのですが、考え方や価値観に違ったものを感じ、将来的な結婚は難しいかなと思いました。ここで交際終了とさせてください。
そして、2月はいったん休会して、気持ちを整理し、3月からまた婚活を再開したいと思います」
このLINEを読んで、聡子が私の相談室に入会面談にやってきたときのことを思い出した。
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