コロナ禍で改めて問われる「家族のあり方」 結婚相手に学歴や収入を求めて幸せになれるか

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この言葉を聞いたときも、きっと父親のような男性を結婚相手に求めているのだろうと感じた。もしかしたら、学歴や年収と言った条件にこだわらなくても、尊敬している父がすばらしすぎて、それが婚活のハードルを上げているのかもしれない、とも思った。

幸せな結婚とは、どんな結婚なのか

その父が亡くなった。それを報告をしてきた聡子のLINEには、こんなことも書かれていた。

「穏やかな最期でした。私と母が父の手を握り、仕事で帰省できなかった弟は、義妹と一緒にリモート画面でつがなり、家族全員で父を見送りました。今はリモートでどこにいてもつながれる、本当に便利な時代ですよね。

父が亡くなって母も気落ちしていましたが、コロナのこともあり、会社が帰省したまま仕事を続けされてくれたので、母娘の2人で年越しをしました」

聡子を通して、私は仲人として、結婚することと家族のあり方を改めて考えさせられた。

コロナになり、孤独を感じて“結婚”を意識した独身者も多いと聞くが、逆に夫婦がずっと一緒にいる時間がストレスとなり、夫婦関係が悪化して、コロナ別居、コロナ離婚も増えたと言われている。

もう何年も前に、入会面談にきた女性はこんなことを言っていた。

「離婚して1年になります。私が彼との結婚を決めたのは、36歳のとき、相談所のお見合いでした。彼に決めたのは、大手企業の社員で、年収が高かったからです。ところが、結婚してみたらとてもキレやすい人だった。仕事が忙しかったり、大きな企画を任されたりすると、それがプレッシャーになるのか、家でもピリピリしているのがわかるんです。

そんなときは、私が煎れたお茶の温度が熱かっただけで、突然キレる。キレると暴言が止まらないんです。『お茶もロクに煎れられないなんて、お前は脳ナシだな』とか。いったん暴言を吐くと、もう怒りがどんどん増幅されていって止まらない。『俺を怒らせるな。俺の稼ぎがあるから、お前は生活できているんだろうが』とか、『このバカ女が』とか。

私はフルタイムで働いていても、彼の3分の1以下の収入しかありませんでした。だから、お金を稼ぐ仕事をしている自分はつねに私よりも上という態度で接してくる人でした」

結局彼女は、つらい思いを吐き出してすっきりしたのか、「入会は、また改めてお返事します」と資料を持ち帰り、その後の連絡は一切なかった。

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