コロナ禍で改めて問われる「家族のあり方」 結婚相手に学歴や収入を求めて幸せになれるか

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また、こんな女性もいた。

彼女は2人姉妹で、そろって難関の有名私大を卒業していた。さらに父と母は日本最高峰の国立大の卒業生だった。そんな彼女が、入会面談のときに言った。

「お相手は、私の卒業大学以上の大卒の方を希望します。これまでそういう男性としかお付き合いをしてきませんでしたし、そういう方でないと、ウチの家族の中に入ったときに窮屈な思いをする。お相手の方も居心地が悪いと思うんですよ」

さらに相手の希望年齢を自分よりもプラスマイナス3歳としていたので、なかなかお見合いが組めず、5人くらいお見合いをしたものの、「ここには、私が結婚したいと思う男性はいませんでした」と、退会していった。

結婚相手とは、残りの人生を一緒に歩いていくことになる。生活するためにはお金が必要なのだから、相手に高い年収を求めたくなる気持ちはわかる。

また高学歴の人たちは、学生時代にたくさんの努力をしたからこそ、その学歴を得たわけで、それを誇るのは当然だろう。また、自分が高学歴者なのだから、相手にそれ以上の学歴を求めたとしても、それは他人から非難されるべきことではない。

条件ばかりに固執して幸せになれるのだろうか

どんな相手と結婚したいか、実際に結婚するかは、個人が決めることだ。理想が高く、その理想にかなう相手がいなかったら、一生独身で過ごす。それもまた個人の選択だ。

しかし、結婚相手を選ぶときに条件にばかりに固執したところで、本当にそれが幸せにつながっていくのだろうか。

中学を卒業し、自分の腕で職人気質の仕事をし、お金を稼ぎ、年上の妻をめとり、2人の子どもを育て上げた。最期は妻と愛娘に手を握られ、リモートで息子とその嫁に見守られて人生を終えていく。聡子の父は、がんには勝てなかったが、きっと幸せな人生だったのではないか。

コロナ禍において、結婚や家族のあり方が見直されている。婚活者たちは、どんな結婚をしたら幸せになれるのか、もう一度考えてみてほしい。

鎌田 れい 仲人・ライター

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かまた れい / Rei Kamata

雑誌や書籍のライター歴は30年。得意分野は、恋愛、婚活、芸能、ドキュメントなど。タレントの写真集や単行本の企画構成も。『週刊女性』では「人間ドキュメント」や婚活関連の記事を担当。「鎌田絵里」のペンネームで、恋愛少女小説(講談社X文庫)を書いていたことも。婚活パーティーで知り合った夫との結婚生活は19年。双子の女の子の母。自らのお見合い経験を生かして結婚相談所を主宰する仲人でもある。公式サイトはコチラ

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