コロナ「重症化する人としない人」見極める方法 患者の「ウイルス量」を検証する価値はある

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すなわち、少ないサイクル数(Ct値と呼ばれている)で陽性結果が出れば、それは患者のウイルスロードが高いことを意味し、多くのサイクルが完了するまで陽性結果が出なければ、ウイルスロードはおそらく低いとされる。

ニューヨークにあるウェイル・コーネル・メディカル大学の研究者たちは、3000人以上の新型コロナウイルス入院患者の、入院初日のウイルスロードを記録し、ウイルスロードが高い患者(Ct値が25以下で陽性判明)の40%が入院中に死亡したのに対し、Ct値がもっと高くてウイルスロードが低いと推測される患者の15%が死亡したことを発見した。

一方、ネバダ州公衆衛生局による別の研究では、新型コロナウイルスで死亡した患者のCt値平均が23.4であるのに対し、回復した患者のCt値平均は27.5であることを発見した。無症状患者の場合の平均値は29.6であり、ウイルス保有量がほかの2つのグループよりはるかに少ないことを示唆している。

これらの数値の違いはごくわずかに見えるかもしれないが、数値の違いは何百万ものウイルス粒子数の違いを意味する。「これらはわずかな違いではない」とグレニンガー氏は言う。同医師の研究所によれば、Ct値が22未満の患者は、ウイルスロードがより低い患者と比較して、30日以内に死亡する確率が4倍以上高かった。

Ct値だけに頼ることのデメリット

だが、ウイルスロードの推定にCt値を用いることには、不安な面もある。HIVのウイルスロード測定は血液サンプルに基づいているため、非常に正確だ。コロナウイルスの検査は鼻や喉を拭って行われるため、ミスが発生しやすく、検査結果の一貫性は低くなる。

感染の過程で、体内のコロナウイルス量は劇的に変化する。わずか数時間で、検出不能レベルから陽性結果を出すまでに上昇し、ウイルスロードは免疫反応が始まるまで増加し続ける。

その後、ウイルスロードは急速に減少するが、ウイルス断片が体内に残存し、感染が収束して病気から回復したずっと後でも陽性結果が出る可能性がある。

ベルビュー病院センターの感染症専門家で、次期バイデン政権のコロナウイルス諮問グループのメンバーであるセリーヌ・ガウンダー氏は、この変動性を考慮に入れると、ある時点におけるウイルスロードを把握しても、病気の経過に関する詳細情報がなければ役に立たない可能性があると述べている。

Ct値とウイルスロードの厳密な関係が検査によって異なる可能性もある。FDAは、機器ごとの定量的関係を検証する代わりに、サイクル数の基準であるカットオフ値に基づいて診断することを承認した。

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