箱根駅伝、歴史が変わる「最強の1年生」の衝撃 規格外の「ゴールデンエイジ」が起こす劇的変化
昨年来のコロナ禍で、東京オリンピックはもちろん、日本選手権をはじめ、日本のみならずあらゆるレースが全世界的にキャンセルになりました。
しかし、国内においては、夏ごろから感染予防対策をしっかり講じたうえで、北海道で国内トップランナーによる記録会が“ひっそり”と再開されていました。
コロナ禍で例年のようにレースがないなか、「高強度の練習を積めておらず、いい記録が出ないのでは?」といった心配をよそに、フタを開けてみたら想像を超える好記録のラッシュ。選手たちは、昨年以上に「高速化」していたのです。
順当に記録を伸ばす上級生もさることながら、とりわけ注目を集めたのは「1年生たちの大躍進」でした。
「ゴールデンエイジ」と東京オリンピック
陸上界ではすでに有名ですが、この箱根駅伝で多くの人が知ることになる注目選手は「順天堂大の三浦龍司選手」と「中央大の吉居大和選手」でしょう。順天堂大の三浦選手は3000m障害で、そして中央大の吉居選手は5000mで東京オリンピック出場を狙っている選手です。
彼らだけでなく、今年は「エースクラスの活躍が期待できる1年生」が、他校にもたくさんいます。夏からこの2人の選手が競いあうかのようにU-20の日本記録を更新しつづけてきているのです。
その結果、「あいつができるなら、オレにもできる」と、心理的リミッターを外したこの世代の選手たちが、次々と好記録を出しつづけます。
挙げていけばキリがないのですが「駒澤大の鈴木芽吹選手」「青山学院大の佐藤一世選手」「東海大の石原翔太郎」も、エースクラスの破壊力をもつ1年生です。
彼らがどの区間に起用されたのか? その走りをチェックしておけば、彼らの成長物語やライバル関係も含めて、何年も楽しめるストーリーが始まります。
とくに先述の順天堂大の三浦選手は、今年の箱根駅伝のベンチマークとなる「全日本大学駅伝」で1区を走り、区間新を記録。その1週間後に行われた箱根駅伝予選会では、はじめてハーフマラソンを走り、U-20日本記録を更新(それまでの日本記録保持者はあの大迫傑選手です)。どういう箱根デビューをするかに注目が集まります。
東京オリンピックの開催が決まったのは2013年の9月。ちょうど彼らが小学6年生のときのことです。中学生になるとき、それぞれの地域で足が速かった少年たちが、心のどこかでオリンピックを意識しながら、サッカーや野球ではなく、陸上を選んだ。
彼らのような才能がこの世代にかたまった理由のひとつが東京オリンピックであることは、あながち間違いではないと思うのです。
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