箱根駅伝、歴史が変わる「最強の1年生」の衝撃 規格外の「ゴールデンエイジ」が起こす劇的変化

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1年生ランナーの走りに触発されて「レースの空気」が変わり、区間新記録が連発されるかもしれません。

全日本大学駅伝では、すでに4つの区間新記録。そのうち3つは1年生ランナーによるもの。「1区の順天堂大の三浦選手」「4区の東海大の石原選手」「5区の青山学院大の佐藤選手」です。これだけとっても「異例の年」であることは想像がつくでしょう。

東海大1年生の石原翔太郎選手(写真:EKIDEN NEWS)

この勢いのまま昨年塗り替えられたばかりの「往路」「復路」「総合」の記録も、大幅に更新される可能性も、大いに期待されます。

とくに注目したいのが、箱根駅伝1区の区間記録。区間記録は1時間01分06秒。第83回(2007年)大会での佐藤悠基(東海大)の記録です。

毎年、1区テレビ中継のCMでは、この佐藤悠基さんの記録が樹立された、「空前絶後の区間新記録!」とアナウンサーが叫ぶ映像が流れます。この空前絶後の区間新記録の更新が期待されるのが今年なのです。

1年生ランナーの憧れは、大迫傑選手の1年時の第87回(2011年)箱根駅伝1区デビューのような走り。つまり、「スタートから独走してそのまま区間賞をとり、総合優勝へ導く」という圧巻の走りです。

2001年産まれの1年生ランナーたちは、箱根から世界へ飛び立っていく大迫選手の活躍を見ながら育ってきた世代。彼らにとって「1年生で箱根駅伝1区を走ること」とは特別なことなのです。

「戦略のカギ」を握る1年生ランナー

すでに各出場大学の正規メンバー(出走選手)10名と、補欠メンバー6名が発表されていますが、必ずしもこの10名が本番を走るとは限りません。ご存じの読者も多いと思いますが、往路・復路ともにレース開始の1時間10分前までであれば、4名までメンバーを変更できるからです。

ケガを含めたコンディション不足での交代やエース格を、どの区間に充てるのか。手練手管の知将たちの探り合いは、スタート直前まで続きます。

やはりここでも、「規格外の1年生」を注視してみると面白さが増してきます。

2008年を最後に総合優勝から遠のいている駒澤大は5名、早稲田大学も4名、東海大、中央大も3名の1年生ランナーをエントリーしていることからも、その期待の高さがうかがえます。

駒沢大1年生の鈴木芽吹選手(左手前、写真:EKIDEN NEWS)

なかでも駒澤大学の1年生が充実。5人の1年生のうち4人が5000m13分台で走ります。彼らのようなスピードランナーを複数抱えていることで、「駒澤大学がどういうレースプランを描いているか?」ということが相手大学は読みづらい。ここに箱根駅伝の「戦略の妙」があるのです。

「最強の1年生」がメンバーに登録されているというだけで、これまでの記録に惑わされ、彼らを警戒する他大学のプランを狂わせることも十分考えられるのです。

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