箱根駅伝、歴史が変わる「最強の1年生」の衝撃 規格外の「ゴールデンエイジ」が起こす劇的変化

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「成長著しい1年生」そして「シューズによる高速化」という変数が加わる今年の箱根駅伝。

私が主宰するメディア「EKIDEN NEWS」で刊行している『あまりに細かすぎる箱根駅伝ガイド!2021』では、例年なら、観戦ポイントごとに「予想通過タイム」を記しているのですが、今年に限って言えば「予想通過タイム」は意味がありません。

沿道での観戦ができないということもあるのですが、全体的なレベルが明らかに上がった2020年シーズンの学生の走りを見ているかぎり、「昨年までのタイムはあまり参考にならない」のです。

2021年は箱根駅伝アップデートの年

「予想通過タイム」を書けない理由のひとつは、各チームで頭角をあらわしはじめた1年生が、当日どういう走りをするのかまったく予測できないということ。

前述の「順天堂大の三浦選手」や「中央大の吉居選手」といった選手は、すでに予選会でハーフマラソンの距離を走っていますが、昨年は選手の特性を見極めるはずのハーフマラソン大会が軒並み中止になりました。

ハーフマラソン以上の距離を選手たちは踏んではいるはずですが、いくらトラックのタイムが速くても、レースの中でどういう走りをするのかは、未知数なのです。

ハーフマラソンに対する心理的リミッターがさほどない1年生が勢いで一気に行ってしまうこともあれば、大撃沈する可能性もある。こればかりはふたを開けてみないとわからないのです。

もうひとつは、シューズによる高速化によって、走り方が変わること。

これまで箱根駅伝のコースを走るには、それぞれの区間にあった攻略法がありました。たとえば花の2区であれば「横浜から権太坂手前の平地区間はなるべく集団でスピードにのってラクに走り、脚をため、戸塚中継所手前の激坂まで脚を残しておく」というようなことです。

大きく攻略法は変わることはないでしょうが、ナイキだけでなく、各社から「カーボン+厚底」という組み合わせのシューズが出たことで、カーボンによってラクにスピードが出せて、厚底のクッション性でダメージが残らないということがわかったいま、後半に備えて自重することなく、ポーンと飛び出すことができます。

つまり、思わぬところで勝負が決まってしまうこともあるのです。

歴史が古い大学ほど、箱根駅伝のコースの細部を分析して「この区間はこれくらいで走る」という設定タイムがあるはず。しかし、そのデータも、今回のような高速化必至のレースでは、あまり役に立たない可能性もあります。

監督が運営管理車から「選手の手綱」を締めるのか? 緩めるのか? そのあたりも見どころになるはずです。

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