日本の美容外科医は、グローバル競争に勝てるか?
しかしながら美容外科業界の極めて高い収益性を考えたとき、経済学の常識としては、限界利益が限界コストと一致するまで競争が激化して、値段が低下していくはずだ。今後は国内にも美容外科医がさらに増え、また海外への美容外科ツーリズムを介した、海外の美容外科医との顧客争奪戦も激化していくことであろう。
そういえば佐藤医師も、海外の美容外科学会から技術指導を要請され、香港とか台湾の美容外科医の指導に現地に赴いていることも多い。これは、日本の家電業界の技術者が海外に新天地を求めてサムスンやLGに移籍(ちなみに今ではそのサムスンから中国メーカーが大金を払って技術者を奪っている)したように、美容外科産業でもトップティアの人材はグローバル市場で値段がつけられる、ということか。
美容外科産業は年間2ケタの伸びを見せ続ける巨大成長産業であり、国境を越えたグローバル競争が始まっている。そこのパイを獲得するには優秀な外科医がいるだけではかなわず、情報インフラの発達や旅行業界との提携を含めた、バリューチェーン、エコシステム全体の発達が必要である。その美容整形インフラが発達した市場に優秀な美容外科医が定着し、結果的に世界中から患者が押し寄せるという、美容外科のシリコンバレー(くしくも、シリコンは整形手術でも多用される)はどこにできるのだろうか。
もしこのコラムに人気があったら、次回は世界中で技術指導を請け負う美容外科医の友人・佐藤医師との特別インタビューをお届けしたいと思う。
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