忘年会スルーしたい人が図らずも利を得た事情 今年はコロナでリアルな開催はそもそも困難

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それだけではありません。吉本興業までがオンライン忘年会に目をつけているのです。吉本芸人がオンラインでネタやトークを披露する『月刊よしもと芸人オンラインイベント』と連動し、新たなオンライン忘年会のカタチを提案しています。

このオンライン忘年会は、忘年会のニューノーマルとなっていくのでしょうか。われわれ、ツナグ働き方研究所の調査によると、職場の部署内や仲間とオンライン飲み会を経験した20代は28.8%。50代以上の8.0%と比べ3倍以上のスコア差があり、やはり若者世代のほうがオンライン飲みに積極的でした。しかしそのうち、オンラインよりやっぱりリアルな飲み会のほうがいいという回答が65.8%。オンラインコミュニケーションを苦にしない若者でさえ、3人に2人はリアル飲みを望んでいます。

PLAN-B(本社:東京都港区)が運営をするカジナビが行った忘年会調査では、忘年会会場として選ばれた第1位はやはり「飲食店」で62%。「オンライン飲み会」は家飲みに続き3位だったものの、そのスコアは8%にとどまっています。

今年、オンライン忘年会が一気にブレイクするのは、やや難しそうです。

なぜこんなにも忘年会をめぐってアツくなるのか

それにしても、われわれはこの年末の恒例行事に、なぜこんなにもアツくなるのでしょうか。改めて考えてみると、やや異常にさえ思えます。

日本においての忘年会の歴史は古く、その起源は室町時代にさかのぼるといわれます。江戸時代に1年のうさを晴らす「歳忘れ」の行事として広まりました。大きく時は流れ、戦後。高度経済成長期に普及した日本型雇用慣行の中、この忘年会は職場に欠かせないイベントとして定着していったのです。

かつては、家族主義的な関係性の中で、社員は身内同様の存在として、団結心、チームワークを担保していました。そうした関係性を維持するために「飲みニケーション」が発達し、その代表格が職場忘年会だったのです。

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