忘年会スルーしたい人が図らずも利を得た事情

今年はコロナでリアルな開催はそもそも困難

飲みニケーションの終わりの始まりを意味しているともいえそうです(写真:Drazen Zigic/iStock)

社員・パートを含めて40人ほどが働く営業所で所長を務める小原傑さん(仮名)は、例年、忘年会を含めて年3回程度、職場のメンバーの大半が参加する宴会を開いてきました。でも、今年は新型コロナの影響で、一度も開けないまま。“せめて忘年会だけは”と、この夏の時点で、とある温泉旅館の宴会場を仮予約していました。

「8月ぐらいからは、ほとんどのパートさんに残業対応をお願いしている状況で、皆さん、だいぶ疲弊しています。どこかで発散できる場を設けてあげたかったんです」と小原さんは語ります。

忘年会を開催する場合には、個別の御膳を用意し、お酌などは禁止。いつもは役員も参加していたのを、今年は営業所の従業員だけにするなど、細かい点にまで配慮しながら準備をしていたものの、「この状況の中、大人数で集まっての宴会ってどうなの?という感じですよね……」と頭を抱えます。

飲み会の過ごし方はかなり慎重に

12月11日、政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会は、年末年始を迎えるにあたっての提言を発表しました。忘年会・新年会や成人式、お正月の帰省など人々の交流が増えるシーズンは、感染が全国的に拡大することで、さらに医療提供体制が逼迫し、経済にも打撃があるなどとして、「年末年始を静かに過ごすこと」を求めています。

会食による感染が多いとされることもあってか、忘年会・新年会などの飲み会については、「感染防止のガイドラインを守っている飲食店を選び、短時間で適度な酒量とする、必ずマスクを着用して会話する、おちょこやコップを使い回さないこと」などと、かなり詳細なレベルまで踏み込んで過ごし方を示しています。

しかも、その前提として「普段から一緒にいる人と小人数で開催すること」が最も大切であるとされています。これでは、もはや職場の忘年会はやらないでほしいという風潮です。年末が近づくと、例年なら多くの職場で忘年会が企画されます。今年は多くの職場において、忘年会を開催すべきか見送るべきか、責任者や幹事が頭を悩ませていましたが、第3波の高まりによって、開催に悩むこと自体がもはやナンセンスな状況となってきました。

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