今年はコロナ禍によって、否応なくニッポン全国、全世代的に「忘年会スルー」が多くなるでしょう。しかし、その裏側には、「コロナの影響で会社の忘年会が中止になった。個人的に誘われてもコロナを理由に断れるので嬉しい!(30代/会社員)」とか「職場は仕事をする場所なので、そもそも飲み会で親睦を深める必要はない。今年は堂々と忘年会スルーできる(20代/契約社員)」といった、職場忘年会への本質的アレルギーが潜んでいるのです。
企業自体がアルコール依存症
ここまで職場で忘年会が広まった背景には、日本型雇用慣行との親和性だけでなく日本人特有の性格も関係しています。そもそも腹を割って忌憚なく意見を交わし合うことが苦手であるがゆえ、企業としては、格好の親睦機会として社員同士の飲み会を奨励してきたのです。
結果的に、社内コミュニケーションが、アルコールの力を借りた「飲みニケーション」に依存する形となりがちでした。しかし、こうした飲みニケーション依存によって、逆に職場内でのコミュニケーションがおろそかにされてきた感は否めません。
コロナ禍のいま、職場ではリモートワークが広がっています。従業員が出社しなくてがらんとしたオフィスを維持し続けることに意味を見出せなくなって、オフィスを縮小しフリーアドレスを導入する企業も少なくありません。
リモートワークやフリーアドレスは、個々人の自立的なワーキングスタイルを促進する反面、リアルな接触時間の減少によって、社員間のコミュニケーションは希薄化する一方ともいえます。職場コミュニケーションを俯瞰的に捉えると、大きな転換点に迫られているのです。
そういった意味では、今年のニッポン全国忘年会スルーを機に、お酒の力に頼るのではなく、しらふで濃密に語り合える環境の整備が急務なのかもしれません。
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