サッポロと委任状争奪戦、スティール再攻勢の成算

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サッポロと委任状争奪戦、スティール再攻勢の成算

株主総会に向け、サッポロホールディングスと筆頭株主で米投資ファンドのスティール・パートナーズ(17・5%保有)が委任状争奪戦に火花を散らしている。

スティールは業績低迷を理由に挙げて、村上隆男社長を含む現経営陣6名(総勢は10名)の退任と、自ら擁立した取締役候補の選任を提案。2月には支持を求め、提言や経営分析資料を載せたホームページを開設した。

さらに3月に入ると委任状勧誘にも着手。全体の約15%を占める個人株主の意向が勝敗を左右すると見て、中旬から首都圏中心に7カ所で株主向け説明会も行った。東京など3都市では取締役候補の1人、元ポッカコーポレーション会長の内藤由治氏も登壇した。

一方、2月に開いた中期計画説明会で「業績不振だとは思っていない」(村上社長)としていたサッポロも、“敵”の活発な動きを受け、主要株主を回って説明を続けている。個人株主へ書簡を送付したほか、ホームページ上に社長の動画メッセージまで掲載。票固めに向けて、双方とも最後のアピールに余念がない。

総会は波乱含みか

両者が委任状争奪戦を繰り広げるのは、今回が2度目。

初戦となった2007年の総会は買収防衛策導入の是非が争点となり、結局、サッポロが株主から6割超の賛成を取り付けて、事なきを得た。昨年は総会直前に株式の追加取得提案を撤回しており、スティール側の熱意も冷めたかに見えた。

事態が動いたのは昨年10月。スティールの社外取締役2名の選任提案だった。サッポロが受け付けなかったため、1月下旬、正式に株主提案権を行使する。

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