ゴア元米副大統領の「二面性」とは?

田坂広志 多摩大学大学院教授に聞く(3)

 毎年1月、世界のトップリーダー2500名がスイスの保養地ダボスに集まる「ダボス会議」。このダボス会議を主催する世界経済フォーラムのGlobal Agenda Councilのメンバーとして、毎年、この会議に出席しているのが田坂広志氏だ。
 同氏は、ビル・クリントン元米大統領、アル・ゴア元米副大統領、トニー・ブレア元英首相、ゴードン・ブラウン前英首相、デーヴィッド・キャメロン英首相、ニコラ・サルコジ前仏大統領、アンゲラ・メルケル独首相、ウラジーミル・プーチン露大統領、さらには、ビル・ゲイツ・マイクロソフト共同創業者・元会長、ムハマド・ユヌス・グラミン銀行創設者など、数多くのトップリーダーのスピーチを聴いてきた。
 では、同氏が出席してきたダボス会議で、最高のスピーカーは誰か。このシリーズでは、全4回にわたって、強く印象に残っている4人のリーダーの話術について、語ってもらう。
 第3回は、アル・ゴア元米副大統領のスピーチについて伺う。
第1回 ダボス会議で最高のスピーカーは誰か
第2回 ブレア元英首相に学ぶ、超一流の「聴き方」
エンディングに向かって、いつも熱くなっていくゴア元米副大統領のスピーチ。情熱的なスピーチの真骨頂はどこにあるのか(ロイター/アフロ)

「ノーベル賞」を掴んだ情熱的スピーチ

――田坂教授は、ダボス会議において、元アメリカ副大統領のアル・ゴアのスピーチも、しばしば聴かれたと思いますが、その印象は、どうだったでしょうか?

アル・ゴアのスピーチは、ダボス会議でも何度か聴いていますが、実は、TED会議でも、何度か聴いています。
 そのスピーチの内容は、多くの人が知るように、地球温暖化について警鐘を鳴らすものであり、2007年のアカデミー・ドキュメンタリー賞を受賞した映画『不都合な真実』でも、彼のスピーチやプレゼンテーションを観た人は多いでしょう。

それは、科学的データを示しながら、論理的かつ説得的に地球温暖化の脅威を聴衆に伝えていくスタイルですが、このスタイルでのスピーチやプレゼンテーションを、世界中で1000回を超え行って回ったことが、彼に、2007年のノーベル平和賞をもたらしたわけです。
 実は、彼がこうしたスピーチを非公開の昼食会などで行うときには、一つの特徴があります。

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