ブレア元英首相に学ぶ、超一流の「聴き方」 田坂広志 多摩大学大学院教授に聞く(2)
トニー・ブレアの「話術」の秘密
――田坂教授は、ダボス会議において、元イギリス首相のトニー・ブレアのスピーチも、しばしば聴かれたと思いますが、その印象は、どうだったでしょうか?
トニー・ブレアのスピーチは、とにかく、華麗ですね。
彼は、しばしば、次の一言で、スピーチを始めます。
「First of All!」(まず第一に!)
そして、その彼の声が響くと、もう、会場の聴衆は、彼の話に惹き込まれていくのです。
ときに、会場を沸かせる笑いを取り、ときに、的確な指摘に聴衆を頷かせ、ときに、心に沁み入る言葉で、聴衆の感動を呼び起こす。
当意即妙という意味では、天下一品。話の流麗さという意味でも、他の追随を許さない。
基調講演であっても、パネル討論であっても、会場の聴衆の心を掴む発言を見事に行う。
彼は、当代随一の話者です。


















