ブレア元英首相に学ぶ、超一流の「聴き方」 田坂広志 多摩大学大学院教授に聞く(2)

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毎年1月、世界のトップリーダー2500名がスイスの保養地ダボスに集まる「ダボス会議」。このダボス会議を主催する世界経済フォーラムのGlobal Agenda Councilのメンバーとして、毎年、この会議に出席しているのが田坂広志氏だ。
 同氏は、ビル・クリントン元米大統領、アル・ゴア元米副大統領、トニー・ブレア元英首相、ゴードン・ブラウン前英首相、デーヴィッド・キャメロン英首相、ニコラ・サルコジ前仏大統領、アンゲラ・メルケル独首相、ウラジーミル・プーチン露大統領、さらには、ビル・ゲイツ・マイクロソフト共同創業者・元会長、ムハマド・ユヌス・グラミン銀行創設者など、数多くのトップリーダーのスピーチを聴いてきた。
 では、同氏が出席してきたダボス会議で、最高のスピーカーは誰か。このシリーズでは、全4回にわたって、強く印象に残っている4人のリーダーの話術について、語ってもらう。
 第2回は、トニー・ブレア元英首相のスピーチについて伺う。
 (第1回のサルコジ前仏大統領はこちら
とにかく華麗なスピーチをするブレア元英首相。だが、学ぶべきは、実は「語り方」だけではない(ロイター/アフロ)

トニー・ブレアの「話術」の秘密

――田坂教授は、ダボス会議において、元イギリス首相のトニー・ブレアのスピーチも、しばしば聴かれたと思いますが、その印象は、どうだったでしょうか? 

トニー・ブレアのスピーチは、とにかく、華麗ですね。
 彼は、しばしば、次の一言で、スピーチを始めます。

「First of All!」(まず第一に!)

そして、その彼の声が響くと、もう、会場の聴衆は、彼の話に惹き込まれていくのです。
 ときに、会場を沸かせる笑いを取り、ときに、的確な指摘に聴衆を頷かせ、ときに、心に沁み入る言葉で、聴衆の感動を呼び起こす。
 当意即妙という意味では、天下一品。話の流麗さという意味でも、他の追随を許さない。
 基調講演であっても、パネル討論であっても、会場の聴衆の心を掴む発言を見事に行う。
 彼は、当代随一の話者です。

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