捨てづらい「ぬいぐるみ」悔いなく処分する方法 「魂」が宿るとの考えからためらうケースも

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お焚き上げについては、前出の日本人形協会、ビットシステムでは「環境汚染などの問題から行っていない」が、この点について、高橋次長は「協力寺院が山中にある。当社の人形供養も考慮してお焚き上げ場を整備してくれており、宗教儀式としてのお焚き上げができる環境になっている」と説明する。

神奈川葬祭では、このような考え方、方法で人形供養祭を行っているが、人形類の供養点数は、2002年に開催した第1回は供養料を無料にしたため、UFOキャッチャーなどのぬいぐるみなども多く、約1万2500点が集まったという。

第2回以降は有料化(人形1体:1000円)し、第4回までは不定期開催で、1回当たり1000~1500点。2010年の第5回より年1回の定期開催にした。「開催を重ねることで供養する点数も若干減少」(高橋次長)し、ここ数年は700~900点で推移していた。

年末年始の大掃除でさらに増える可能性

ところが昨年は711点であったのに対し、今年9月に開催した人形供養祭では1382点と1.9倍に増えた。その要因には、やはりコロナによる巣ごもりの影響がある。今年は写真などの依頼も増えたそうだ。

コロナ第3波を迎え、今年の年末は去年に比べて自宅で過ごす人も多いだろう。大掃除が行われるこの年末年始にかけて、ぬいぐるみ・人形供養に出す人は例年よりさらに増えるかもしれない。

塚本 優 終活・葬送ジャーナリスト

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つかもと まさる / Masaru Tsukamoto

北海道出身。早稲田大学法学部卒業。時事通信社などを経て2007年、大手終活関連事業会社の鎌倉新書に入社。月刊誌の編集長を務める。2013年フリーライターとして独立。ライフエンディングステージの中で「介護・医療」と「葬儀・供養」分野を中心に取材・執筆している。ポータルサイト「シニアガイド」に「終活探訪記」を連載中。「週刊高齢者住宅新聞」などに定期寄稿。

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