捨てづらい「ぬいぐるみ」悔いなく処分する方法 「魂」が宿るとの考えからためらうケースも
こうした「人形・ぬいぐるみ供養」を行っているのは日本人形協会のみではない。ホームページの製作・運営などを手掛ける有限会社ビットシステム(神奈川県平塚市)では、人形供養専用サイト「人形供養 花月堂」を2007年に立ち上げ、人形供養サービスをスタートした。
2017年には姉妹サイトとして「ぬいぐるみ供養 メモリアル」を追加し、現在、提携寺院で2カ月に1回のペースで「お人形供養祭」を開催している。
同社の石川正行社長は「当社は、お寺や神社のような宗教法人ではないので宗教的な考え方ではなく、お客さんの気持ちに応えるという考え方をしている。『大切にしていた人形なので、最後はちゃんと供養したい』という人の気持ちに応える。『供養は必要なく処分だけしてほしい』という依頼もたまにあるが、当社は供養サービスを提供している会社なので受け付けていない」と話す。
出張引き取りサービスも
同社のサービスの特徴の1つは、人形・ぬいぐるみの本体だけではなく、ガラスケース、木箱、アクリルケース入りの人形や、人形を飾る台座、段などを含めた人形セットも受け付けていることである。「ほかでは人形・ぬいぐるみだけしか受け付けてくれないので、当社にするという人は多い」(石川社長)。
さらに特徴のもう1つは、人形類を宅配便で受け取っているだけではなく、神奈川県、東京都のほか、埼玉県と千葉県の一部については、出張引き取りも行っていることだ。石川社長によると「本体だけでなく、付属品があるものについては、梱包して、自分の車に積んで宅配便取次所まで運ぶのは面倒なので、出張費を払ってでも取りに来てもらったほうが楽だという人が多い。当社の申込件数のうち、6~7割が出張引き取りになっている」とのことだ。
同社の倉庫に集荷した人形類は、分別して、人形・ぬいぐるみの本体だけを残し、その他の付属品は、同社と提携している産廃業者に処分してもらう。
一方で、本体は「お人形供養祭」を開催する当日、提携している寺院に運び、僧侶に読経(約30分)による供養をしてもらう。読経が終わると、お焚き上げ(火葬)は、日本人形協会と同様に環境汚染などの問題から行わず、コレクターなど人形が欲しい人に無料で譲り(感謝祭1回当たり100体くらい)、残った人形類を提携している産廃業者に処分してもらうそうだ。
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