東武「SL重連」コロナ禍の有料イベントで新機軸 GoToも積極活用、ツアー限定SL試乗で鉄分補給

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東武鉄道の車両基地で蒸気機関車(SL)の「重連運転」を撮影するツアー参加者たち(記者撮影)

東武日光線の「南栗橋」という駅名は、東武スカイツリーラインや同線と相互直通運転をする東京メトロ半蔵門線、日比谷線、東急電鉄田園都市線の利用者には馴染みのある行き先だろう。所在地は埼玉県久喜市。日光線が東北新幹線の高架をくぐるあたりにある。

知名度の割に駅前には商店などがほとんどなく、閑静な住宅地が広がっている。ただし、東武鉄道で最大規模の車両基地、南栗橋車両管区の最寄り駅であり、「地味な駅」と侮れない。同駅を行き先とする列車が多いのもここに車両基地があるためだ。

恒例の鉄道イベントが中止

鉄道各社が毎年恒例とする車両基地でのイベントは、ファンにとって普段入れない場所が見学できる「鉄分補給」の絶好の機会だ。それにとどまらず、日頃はオフィスや車両整備、保線の現場で勤務する鉄道会社の社員にとっても自社線の利用者と触れ合える貴重な場となっている。

2020年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で、鉄道各社の車両基地の公開イベントが軒並み中止に追い込まれた。開催できたとしても、密になるのを避けるため、事前申し込み制などによる人数制限や、オンラインでの開催といった規模の縮小を余儀なくされた。

この南栗橋車両管区も例外ではない。毎年12月の第1日曜日に開催していた「ファンフェスタ」は2019年には来場者約1万7000人を数える一大イベントだったものの、今年については9月11日の時点で中止を発表した。

代わりに打ち出したのが臨時列車による「ファンツアー」だったが、参加者の満足度はむしろ例年以上のものになったと言えるかもしれない。

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