例年、多くの初詣利用者の足として利用されている大みそかから元日にかけての終夜運転。都市部の鉄道、とくに沿線に大きな寺社がある路線は参拝客のために夜を徹して運行している路線が多い。また、年越しのカウントダウンイベントなどに参加した人が帰宅のために終夜運転を利用するケースもある。
都市部ではこの時期の終夜運転は鉄道の風物詩でもあり、新年を祝うヘッドマークの取り付けや特別列車の運行など、力を入れている鉄道会社も少なくない。
しかし、今度の年越しはコロナ禍により、例年とは大きく違う姿となりそうだ。コロナ感染者が全国的に増加する中、感染拡大を防ぐために人が多く集まるイベントは難しくなってきている。有名な寺社では年が明ける前から参拝者が列をなすのが例年の姿だが、はたしてこの年越しはそういったことが可能になるか、気にしている人も多いのではないか。
鉄道事業者の判断はどのように分かれただろうか。
「今年は実施せず」発表相次ぐ
終夜運転についての発表が早かった鉄道会社は東武鉄道だ。沿線に西新井大師や浅草寺などの有名寺社を抱える同社は11月12日、今回の年越しは終夜運転も終電の延長も行わないと発表した。
同社は2019~2020年の年越しでは東武スカイツリーラインや大師線で終夜運転を実施したほか、東上線では終電繰り下げ、始発繰り上げを行っていた。昨年の発表は12月13日で、今年は約1カ月も早かった。
東急電鉄も11月16日、終夜運転を行わないと発表した。同社は2019~2020年の年越しの際は東横線(直通するみなとみらい線も含む)で実施し、田園都市線では終電繰り下げと始発の繰り上げを行ったが、今度の年越しは全線で終電繰り下げ・始発繰り下げも実施しない。
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