"通過するだけ"は惜しい、滋賀ご当地鉄道事情 琵琶湖を囲む主要路線、地元密着ローカル線も

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近江鉄道八日市線。近江八幡でJRと接続し、利用の多い路線だ(筆者撮影)

滋賀県といえば、琵琶湖である。琵琶湖はしばしば“近畿の水がめ”などといわれる。滋賀県民が京都や大阪の人にからかわれると「水を止めてやるぞ」と言い返す、などというお約束があるとか(テレビ番組などでは聞いたことはあるが、リアルで言っている人は見たことがない)。

実際には、たとえば大阪では大和川や紀の川水系の水も利用されているらしいから、琵琶湖の水が止められたらそれだけで干上がってしまうわけではないようだ。が、そんなことはともかく、滋賀県のシンボルは紛れもなく琵琶湖である。

「通過する県」のイメージが強いが…

その琵琶湖を抱える滋賀県の鉄道がこの記事のテーマだ。県の中央にどーんと琵琶湖が構えている。鉄道もその周囲をぐるりと取り囲んで走る。……ということはわかるのだが、地元に住んでいる人でもないと、滋賀県はどうしても“通過する県”というイメージのほうが強いのではないかと思う。関東や東海地方の人が関西以西に行こうとすれば必ず通り抜けるし、その逆もしかりだ。

瀬田川を渡るJR琵琶湖線。瀬田川は下流で淀川となって大阪湾に注ぐ(筆者撮影)

筆者自身を顧みても、地方巡りで京都や大阪に宿泊したことは数知れず。しかし、滋賀県内に泊まった経験は数えるくらいしかない。米原と彦根、草津に1度ずつ、くらいだろうか。新幹線の「のぞみ」ももちろん滋賀県内には停まらないし(そういえば栗東新駅の構想ありましたね……)、つまりは申し訳ないけれど琵琶湖くらいしかイメージがないのである。

だからといって侮ってはいけない。通過する、ということは途中で降りてあれこれする機会はなくとも、交通面の重要性は極めて高いということだ。

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